アスピリン

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医療

アスピリン:様々な効果と注意点

アスピリンは、長い歴史を持つよく知られた薬です。痛みや熱を抑える効果があり、私たちの身近で広く使われています。例えば、頭が痛い時、歯が痛い時、生理痛が辛い時、熱がある時など、様々な場面で症状を和らげるために役立ちます。 アスピリンの歴史は古く、19世紀の終わり頃にドイツの会社で人工的に作られました。その後、世界中に広まり、今では家庭に常備されていることも多い薬となっています。痛みや熱を抑えるだけでなく、少量のアスピリンには血液をサラサラにする効果もあることが分かっています。これは、血液の塊である血栓ができるのを防ぐ働きによるものです。 血栓は血管を詰まらせてしまい、心臓の筋肉が壊死する病気や脳の血管が詰まる病気を引き起こすことがあります。これらの重い病気を防ぐため、医師の指示のもとで少量のアスピリンが処方されることがあります。 アスピリンは効果が高い反面、体に悪い影響が出ることもあります。胃や腸の調子が悪くなったり、出血しやすくなったりする可能性があります。そのため、アスピリンを飲む時は、必ず医師や薬剤師に相談し、正しい飲み方や量を守ることが大切です。自分の判断で飲むのは危険なので、専門家の指示に従いましょう。
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ライ症候群:知っておきたい子どもの病気

ライ症候群は、主に乳幼児や小児にみられるまれで重い病気です。かぜや水ぼうそうなどのウイルス感染症が治りかけてきた頃に、急に発症することが多いです。特に、アスピリンなどのサリチル酸系解熱剤を服用した後に発症する危険性が高まることが知られています。 この病気の詳しい原因はまだすべてが明らかになっているわけではありませんが、ウイルス感染とアスピリンの相互作用が深く関わっていると考えられています。ライ症候群になると、脳が急に腫れる(急性脳症)とともに、肝臓に脂肪がたまる(肝臓の脂肪浸潤)という特徴的な症状が現れます。 初期症状としては、繰り返し吐く、意識がもうろうとする、けいれんなどが見られます。さらに病気が進むと、意識障害がひどくなり、呼吸がおかしくなったり、手足が硬直したりすることもあります。重症化すると命に関わるため、早期発見と適切な処置が何よりも重要です。 保護者は、お子さんがウイルス性の感染症にかかった際に、安易にアスピリンなどのサリチル酸系解熱剤を使用しないように注意しなければなりません。医師の指示がない限り、これらの薬を子どもに与えることは避け、アセトアミノフェンなどのサリチル酸系以外の解熱鎮痛剤を選ぶようにしましょう。 ライ症候群は、迅速な診断と集中的な治療が必要となる病気です。お子さんに少しでも異変を感じたら、すぐに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けることが大切です。早期発見と適切な治療によって、後遺症を残さず回復できる可能性が高まります。