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やすらぎ支援員:家族の支えに
高齢化が進むにつれ、認知症を抱える人が増え、介護をする家族の負担は大きくなっています。家族が介護を続けるには、心身ともに健康でいることが大切であり、そのためには休息の時間が必要です。しかし、現実には休息をとることもままならない家族が多くいます。このような状況の中で、認知症高齢者と家族を支える「やすらぎ支援員」が注目されています。
やすらぎ支援員とは、家族に代わって認知症高齢者の自宅を訪問し、日常生活の様々な場面で支援を行う専門家です。具体的には、認知症高齢者の話し相手になったり、趣味や活動を一緒に行ったり、生活の様子を見守ったりします。また、入浴や食事、排泄といった身体的な介助を行う場合もあります。これらの支援を通して、認知症高齢者が安心して自宅で過ごせるように手助けします。
やすらぎ支援員は、単に身体的な介助を行うだけでなく、認知症高齢者の心に寄り添うことも大切にしています。認知症高齢者は、記憶力や判断力が低下することで不安や孤独を感じやすいため、やすらぎ支援員は、傾聴や共感を通して心の支えとなるよう努めます。また、認知症高齢者の個性や生活習慣を尊重し、その人らしい生活が送れるように支援を行います。
やすらぎ支援員は、介護をする家族にとっても大きな支えとなっています。家族は、やすらぎ支援員に介護の一部を任せることで休息の時間を持つことができ、心身の負担を軽減することができます。また、介護に関する相談や悩みを共有することで、精神的な支えを得ることもできます。やすらぎ支援員の存在は、認知症高齢者とその家族が安心して生活していく上で、今後ますます重要になっていくと考えられます。