めまい

記事数:(4)

健康の維持

めまい:原因と対処法

「めまい」とは、自分自身あるいは周囲の景色が動いているように感じる、実際とは異なる感覚のことです。具体的には、景色がぐるぐる回って見える、体がふらつく、傾いているように感じる、あるいは地面が揺れているように感じるなど、様々な体験として現れます。これらの感覚は、立っていられないほどの強いものから、ほんの少し気になる程度のものまで、その程度は様々です。また、数秒で治まることもあれば、数日続くなど、持続時間も人によって大きく異なります。 めまいは、それ自体が病気というわけではなく、何らかの原因によって引き起こされる症状です。その原因は実に多岐にわたり、耳の病気(例えば、良性発作性頭位めまい症、メニエール病など)が原因となることもあれば、脳の病気(例えば、脳梗塞、小脳出血など)が関わっている場合もあります。また、貧血や低血圧、脱水症状といった体の状態や、過労や睡眠不足、精神的なストレス、自律神経の乱れなどによってもめまいが生じることがあります。 めまいを感じた時は、まず安静にすることが大切です。楽な姿勢で休むことで、症状が落ち着くこともあります。しかし、何度も繰り返すめまいや、激しい頭痛、手足のしびれ、ろれつが回らないなどの症状を伴う場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。自己判断で放置すると、重大な病気が隠れている可能性を見逃してしまう危険性があります。医師による適切な診断と治療を受けることで、原因に応じた対処法を知り、めまいを改善していくことができます。日常生活に支障をきたすほどのめまいに悩んでいる方は、我慢せずに医療機関に相談することが重要です。
医療

めまいと耳鳴り:メニエール病を知る

めまい、耳鳴り、聞こえづらさ、耳が詰まった感じ。これらの症状が繰り返し起こる病気を、メニエール病といいます。ぐるぐる回るような激しいめまいは、数十分から数時間、長いときは数日間も続くことがあります。同時に耳鳴りがしたり、耳が詰まったような感じがしたり、聞こえが悪くなったりもします。これらの症状は、日常生活に大きな影響を及ぼし、仕事や家事が思うようにできない、外出が不安になるなど、生活の質を著しく低下させることもあります。 このメニエール病は、耳の奥深くにある内耳という器官の異常によって起こります。内耳には、音を聞くための蝸牛(かぎゅう)と、体のバランスを保つための三半規管、前庭といった器官があります。メニエール病では、これらの器官の中に内リンパ液と呼ばれる液体が過剰に溜まり、内リンパ水腫という状態になります。この内リンパ水腫が、めまい、耳鳴り、聞こえづらさ、耳閉感といった様々な症状の原因と考えられています。 しかし、なぜ内リンパ液が過剰に溜まってしまうのか、詳しい原因はまだ解明されていません。そのため、メニエール病を根本的に治す治療法はまだ確立されていません。現在の治療は、症状を和らげるための対症療法が中心となっています。めまいを抑える薬や、吐き気を抑える薬、内リンパ液の産生を抑える薬などが用いられます。また、ストレスや睡眠不足、過労なども症状を悪化させる要因となるため、生活習慣の改善も重要です。規則正しい生活を送り、ストレスを溜めないように心がけることが大切です。さらに、症状が重い場合には、手術を行う場合もあります。 メニエール病は、再発を繰り返す病気であるため、長期的な治療が必要となります。症状が出たときには、早めに耳鼻咽喉科を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。
健康の維持

立ちくらみ注意!起立性低血圧を知ろう

起立性低血圧は、体の位置を変えた時に血圧が急に下がることで起きる症状です。例えば、床や椅子に座っていた状態から急に立ち上がったり、長時間立っていることで、脳に流れる血液が一時的に足りなくなるのです。 血液が脳に十分に行き渡らなくなると、様々な症状が現れます。目が回る、ふらつく、目の前が暗くなる、吐き気がするといった症状が代表的です。ひどい場合には、意識を失ってしまうこともあります。これらの症状は多くの場合、しばらくすると治まりますが、転倒して怪我をする危険性もあるため、注意が必要です。 特にご高齢の方は、体の機能の低下により起立性低血圧になりやすい傾向があります。また、血圧を下げる薬を飲んでいる方も、薬の影響で症状が現れやすくなります。さらに、体の中の水分が不足している状態(脱水症状)や貧血、自律神経の働きの低下なども、起立性低血圧を誘発する要因となります。 日常生活の中で、急に立ち上がった時にふらついたり、目の前が暗くなるといった症状を経験する方は、起立性低血圧の可能性があります。これらの症状を感じた場合は、早めに医療機関を受診し、医師に相談することをお勧めします。適切な診断と治療を受けることで、症状の改善や予防につながります。
医療

脳出血の基礎知識と予防について

脳出血は、脳内の血管が破れ、血液が周囲の組織に漏れ出す病気です。私たちの脳は、体全体の機能を調整する司令塔のような役割を担っており、常に大量の酸素と栄養を必要としています。これらは血管を通して脳に届けられますが、血管が破れてしまうと、脳細胞に必要な酸素と栄養が行き渡らなくなります。そして、脳細胞の働きが阻害され、様々な神経症状が現れるのです。 出血の場所や量、損傷を受けた脳の部位によって症状は大きく異なります。例えば、手足の麻痺やしびれ、ろれつが回らなくなる言語障害、意識がなくなる意識障害などが挙げられます。また、出血量が多い場合は、生命に関わる危険性も高くなります。 脳出血の主な原因は高血圧です。長期間にわたり高い血圧にさらされると、血管に負担がかかり、もろくなって破れやすくなります。そのため、日頃から血圧を適切な範囲に保つことが非常に重要です。また、血管を硬くする動脈硬化も危険因子の一つです。動脈硬化は、血管の壁にコレステロールなどが蓄積し、血管が狭く硬くなる病気です。血管が硬くなると、血圧が上昇しやすく、脳出血のリスクが高まります。動脈硬化の予防には、バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙など、健康的な生活習慣を心がけることが重要です。 脳出血は突然発症することが多く、発症後の適切な処置がその後の経過に大きく影響します。そのため、日頃からの予防が何よりも大切です。高血圧の人は定期的に医師の診察を受け、血圧を適切に管理しましょう。また、動脈硬化の予防にも積極的に取り組み、健康な生活習慣を維持することが重要です。