すくみ足

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医療

すくみ足:パーキンソン病の症状

『すくみ足』とは、パーキンソン病などの病気に見られる運動の症状で、足を前に踏み出すのが難しくなる状態を言います。まるで足が地面にくっついてしまったかのように感じ、思うように動かせなくなります。 具体的には、歩き始めの一歩が踏み出せない、歩幅が狭く小刻みになる、歩いている途中で急に足が止まってしまう、方向転換が難しいといった症状が現れます。 この『すくみ足』は、まるで足の裏が床に吸い付いているような、あるいは磁石でくっついているかのような感覚を伴うことがあります。そのため、滑るようにしか歩けなかったり、歩行中に突然足が動かなくなったりするのです。 パーキンソン病の患者さんの多くがこの症状を経験しており、日常生活に大きな影響を与えます。例えば、道路を横断しようとした際に急に足が動かなくなってしまうと、事故に遭う危険性があります。また、家の中でも、家具につまづいたり、バランスを崩して転倒したりする危険性が高まります。 『すくみ足』の原因は、脳内の神経伝達物質であるドーパミンの減少と考えられています。ドーパミンは、運動の滑らかさや協調性を保つ上で重要な役割を果たしています。パーキンソン病では、ドーパミンを産生する神経細胞が徐々に失われていくため、『すくみ足』のような運動障害が現れるのです。 『すくみ足』は、患者さんの生活の質を大きく低下させる要因の一つです。そのため、症状の改善や軽減に向けた適切な対応が重要となります。
移動の介助

すくみ足:転倒予防の重要性

すくみ足は、主にパーキンソン病で見られる運動症状の一つで、歩行時に足が床に貼り付いたように感じ、スムーズに動かせなくなる状態を指します。まるで足が根っこが生えたように地面に固定され、前に進もうとしても足が思うように出ないため、つまずきやすくなったり、転倒しやすくなったりします。 この症状は、歩行開始時や狭い場所を通る時、方向転換をする時などに特に顕著に現れます。例えば、歩き始めようとしても足が重く感じ、なかなか一歩が出なかったり、廊下などの狭い場所を通ろうとすると、足が動かなくなってしまうことがあります。また、急に方向を変えようとした際に、足が床に張り付いてしまい、転倒してしまう危険性も高まります。さらに、歩行中に急に足が止まってしまうこともあります。このような症状は、日常生活において大きな支障となります。買い物や散歩など、普段何気なく行っていた活動が困難になるだけでなく、転倒による骨折などのリスクも高まるため、生活の質を大きく低下させてしまう可能性があります。 すくみ足は、精神的な負担も大きな問題です。外出に対する不安や恐怖感が増し、活動範囲が狭まり、社会的な孤立につながることもあります。また、転倒の恐怖から外出を控えがちになり、運動不足による体力や筋力の低下を招き、さらにすくみ足を悪化させるという悪循環に陥ってしまう可能性もあります。そのため、すくみ足の症状に気づいたら、早めに医療機関を受診し、適切な治療や対応を始めることが重要です。医師や理学療法士などの専門家と相談し、それぞれの症状に合わせた運動療法や薬物療法などを検討することで、症状の改善や進行の抑制を図ることができます。