WHO:世界保健機関とその役割
介護を学びたい
先生、「介護」と「介助」の違いがよくわからないのですが、教えていただけますか?あと、世界保健機関(WHO)との関係性についても教えて下さい。
介護の研究家
なるほど。「介護」は、食事や入浴など日常生活を送る上で必要な援助全般を指すのに対し、「介助」は、その一部で、移動や排泄など特定の動作を支援することを指します。簡単に言うと、「介護」の中に「介助」が含まれるイメージですね。世界保健機関(WHO)は、すべての人々が健康な生活を送れるように活動していて、「介護」や「介助」の国際的な基準作りや、各国への支援なども行っています。高齢化が進む中で、WHOは、人々が尊厳を保ち、自立した生活を送れるよう支援していくことを重要視しています。
介護を学びたい
つまり「介護」の中に「介助」が含まれるのですね。WHOは、世界規模で「介護」や「介助」に関する活動をしているという理解で良いでしょうか?
介護の研究家
はい、その理解で合っています。WHOは世界各国で、質の高い「介護」と「介助」が受けられる社会を目指して活動しています。高齢化社会への対応は、世界共通の課題ですからね。
WHOとは。
『世界保健機関』(全ての人が健康でいられるようにすることを目指して作られた国連の組織です。2016年5月の時点で、194の国と地域が参加しています。)における「介護」と「介助」という言葉について
世界保健機関とは
世界保健機関(WHO)は、世界中の人々が健康に暮らせるよう尽力している国際連合の専門機関です。正式名称は世界保健機関で、英語ではWorld Health Organizationと表記し、WHOと略されます。1948年に設立され、現在では194の国と地域が加盟し、人々の健康に関する様々な課題に取り組んでいます。本部はスイスのジュネーブにあり、世界各地に事務所を構え、各地域の状況に合わせた活動も展開しています。
WHOの活動範囲は非常に広く、貧困や飢餓、伝染病の流行といった深刻な問題から、生活習慣病の予防や健康増進といった身近な課題まで多岐に渡ります。例えば、予防接種の推進や安全な水の供給、栄養改善といった取り組みを通して、子どもたちの健康を守っています。また、結核やマラリア、エイズといった感染症の対策にも力を入れており、治療薬の開発や普及、感染拡大の防止に努めています。さらに、近年では、たばこ規制や大気汚染対策、健康的な食生活の推進など、人々の生活習慣を改善するための活動にも積極的に取り組んでいます。これらの活動は、すべての人々が可能な限り高い健康水準に到達することを目指して行われています。
WHOが考える健康とは、単に病気でない状態を指すのではありません。肉体的にも、精神的にも、そして社会的に良好な状態であることが重要だと考えています。心身ともに健康で、社会とのつながりの中で生き生きと暮らせる状態こそが、WHOが目指す健康の姿です。そのため、WHOは医療サービスの向上だけでなく、人々の生活環境の改善や社会福祉の充実にも力を入れています。世界が直面する様々な健康問題に対し、WHOは国際協力の中心的な役割を担い、人々の健康を守るため、日々世界中で活動を続けています。WHOの活動は、私たち一人ひとりの健康な暮らしにつながっているのです。
項目 | 内容 |
---|---|
正式名称 | 世界保健機関(World Health Organization, WHO) |
設立年 | 1948年 |
加盟国・地域 | 194 |
本部 | スイス ジュネーブ |
活動範囲 | 貧困、飢餓、伝染病、生活習慣病予防、健康増進など |
活動例 | 予防接種推進、安全な水の供給、栄養改善、感染症対策、たばこ規制、大気汚染対策、健康的な食生活推進など |
健康の定義 | 肉体的、精神的、社会的に良好な状態 |
活動目的 | すべての人々が可能な限り高い健康水準に到達すること |
主な活動内容
世界保健機関(WHO)の活動は多岐にわたりますが、大きく6つの分野に分類できます。一つ目は、世界中で流行する感染症への対応です。これは、新型の流行かぜやエボラ出血熱といった感染症の発生を早期に発見し、各国と連携して感染拡大を防ぐ活動です。迅速な情報共有と国際協力によって、世界的な健康危機の発生を未然に防ぎ、人々の命を守っています。
二つ目は、生活習慣病への取り組みです。偏った食事や運動不足といった生活習慣の改善を促し、人々が健康的な暮らしを送れるよう支援しています。具体的には、栄養バランスの取れた食事の推奨や運動の奨励、禁煙支援などを通して、生活習慣病の予防と管理に貢献しています。
三つ目は、母子の健康を守る活動です。これは、妊娠中の女性への適切なケアや安全な出産の支援、子どもの予防接種などを通して、未来を担う子どもたちの健康を守り、健やかな成長を支える活動です。母子保健サービスの向上は、次世代の健康を確保する上で非常に重要です。
四つ目は、安全な水と衛生的な環境の確保です。これは、安全な飲み水の提供やトイレの普及などを通して、感染症の予防や健康増進に貢献する活動です。清潔な水と衛生的な環境は、基本的な人権であり、健康な生活を送る上で欠かせません。
五つ目は、各国における保健医療体制の強化です。質の高い保健医療サービスを提供できるよう、各国に技術的な支援や人材育成を行っています。医療従事者の教育や医療設備の整備などを支援することで、世界中で誰もが適切な医療を受けられるよう努めています。
最後は、健康に関する情報の提供です。最新の研究成果や健康に関する情報を世界中に発信し、人々の健康意識の向上に努めています。正確な情報を提供することで、人々が健康的な生活習慣を身につけ、自分自身の健康を守ることができるよう支援しています。これらの活動を通して、WHOは世界中の人々の健康を守り、より良い生活の実現を目指しています。
WHOの活動分野 | 活動内容 |
---|---|
感染症への対応 | 新型流行性感冒やエボラ出血熱等の感染症発生の早期発見と感染拡大防止のための国際協力 |
生活習慣病への取り組み | 偏った食事や運動不足等の生活習慣改善促進と健康的な暮らしへの支援(栄養バランスの良い食事推奨、運動奨励、禁煙支援など) |
母子の健康を守る活動 | 妊娠中の女性への適切なケア、安全な出産支援、子どもの予防接種など |
安全な水と衛生的な環境の確保 | 安全な飲み水の提供、トイレの普及など |
各国における保健医療体制の強化 | 質の高い保健医療サービス提供のための各国への技術支援と人材育成(医療従事者教育、医療設備整備支援など) |
健康に関する情報の提供 | 最新の研究成果や健康情報の提供による人々の健康意識向上 |
加盟国の役割
世界保健機関(WHO)は、世界の健康を守るための国際機関です。国際機関である以上、各加盟国との協力なしにはその役割を果たすことができません。加盟国は、WHOの活動を支える上で欠かせない存在であり、資金面での貢献だけでなく、様々な協力が求められています。
まず、加盟国はWHOの活動に必要な資金を提供する義務を負っています。WHOの活動は、これらの資金によって支えられており、世界中の保健医療問題への取り組みを可能にしています。資金提供を通じて、加盟国は世界全体の健康向上に貢献していると言えるでしょう。
また、加盟国は自国の保健医療政策を策定し、実行する際に、WHOが示す指針を踏まえる必要があります。WHOは、世界中の専門家の知見を集結し、感染症対策や生活習慣病予防など、様々な保健医療分野における指針や勧告を作成しています。加盟国はこれらの指針を参考にしながら、自国の状況に適した政策を立案し、実行することで、国民の健康を守っていくことが期待されています。
さらに、感染症の発生状況など、重要な保健医療情報をWHOに報告する義務も、加盟国には課せられています。感染症は国境を越えて広がる可能性があるため、迅速な情報共有が極めて重要です。加盟国からの報告は、WHOが世界的な感染症の流行を監視し、対策を講じる上で欠かせない情報源となっています。たとえば、新たな感染症の発生や、既存の感染症の流行拡大が報告された場合、WHOは迅速に情報を分析し、各国に必要な支援を提供することで、感染症の世界的な蔓延を防ぐ取り組みを行います。
世界的な保健医療問題の解決には、国境を越えた協力が不可欠です。WHOは、各国が協力して取り組むための話し合いの場を提供する、重要な役割を担っています。加盟国は、WHOの支援を受けながら、自国の事情に合わせた政策を実行し、国民の健康を守る必要があります。WHOと加盟国は、互いに支え合い、協力することで、世界中の人々の健康増進に貢献していくのです。
加盟国の役割 | 詳細 |
---|---|
資金提供 | WHOの活動に必要な資金を提供し、世界全体の健康向上に貢献する。 |
政策策定・実行 | WHOの指針を参考に、自国の状況に適した保健医療政策を策定・実行し、国民の健康を守る。 |
情報報告 | 感染症の発生状況など、重要な保健医療情報をWHOに報告し、感染症の世界的な蔓延防止に協力する。 |
国際協力 | WHOが提供する話し合いの場を通じて、国境を越えた協力を行い、世界的な保健医療問題の解決に貢献する。 |
資金源と課題
世界保健機関(WHO)の活動は、加盟各国からの割り当て金と任意の寄付金によって支えられています。割り当て金は各国の経済力に応じて決められており、WHOの基盤となる活動資金となります。任意の寄付金は、特定の事業や計画のために拠出されるもので、近年その重要性が増しています。寄付を行う主体は、各国政府だけでなく、財団や企業、個人など多岐にわたります。しかし、WHOの活動資金は慢性的に不足しており、そのことが様々な課題を生み出しています。
資金不足によって、感染症対策や保健医療制度の強化といった重要な活動に十分な資源を投入することが難しくなっています。例えば、新しい感染症の発生に対する迅速な対応や、必要な医薬品やワクチンの供給などが滞ってしまう可能性があります。また、途上国における保健医療体制の整備や人材育成も遅れ、世界全体の健康水準の向上を妨げる要因となっています。
さらに、WHOは地球規模の課題にも直面しています。世界的な感染症の大流行への備えや対応、気候変動が健康に及ぼす影響への対策、紛争や災害時における人道支援など、WHOが取り組むべき課題は複雑化かつ多様化しています。これらの課題に効果的に対応するためには、安定した資金の確保が不可欠です。
国際社会は、WHOの活動を支えるために、より積極的に資金を拠出し、協力していく必要があります。各国政府は、WHOへの拠出金を増やすとともに、資金の使途を透明化し、責任ある資金管理を行うことが求められます。また、民間部門も、社会貢献活動の一環として、WHOへの支援を強化していくことが重要です。さらに、WHO自身も、限られた資源を最大限に活用するため、活動の効率化や無駄の削減に継続的に取り組む必要があります。世界中の人々の健康を守るというWHOの重要な役割を果たすためには、国際社会全体の理解と協力が不可欠です。
今後の展望
世界は絶えず変化を続けており、世界保健機関(WHO)の役割も時代の変化に合わせて調整していく必要性がますます高まっています。近年、情報通信技術の著しい発展に伴い、WHOの活動においてもデジタル化の流れが加速しています。例えば、感染症の発生状況に関する情報を瞬時に世界各国と共有するための仕組み作りや、インターネットを通じて健康に関する相談に対応する新たなサービス提供など、様々な取り組みが始まっています。
地球規模で解決すべき課題に立ち向かうためには、他の国際機関や民間企業との協力体制をより一層強化していく必要があります。世界が目指す持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、WHOの貢献も大いに期待されています。
WHOは、感染症対策の分野において、これまで培ってきた知見や経験を活かしながら、新たな感染症の脅威への対策強化や、パンデミック発生時の国際協力体制の構築に尽力していくでしょう。また、世界中で増加している生活習慣病対策として、健康的な生活習慣の普及啓発や、各国における医療体制の整備支援なども重要な役割となります。
WHOは、変化し続ける世界の状況を的確に捉えながら、すべての人々が健康で安心して暮らせる社会の実現を目指し、その役割をしっかりと果たしていくと考えられます。国際社会全体の協力と支援がWHOの活動を支え、ひいては世界中の人々の健康を守る大きな力となるのです。
WHOの役割の変化 | 具体的な取り組み |
---|---|
デジタル化の加速 | 感染症情報共有システム構築、オンライン健康相談サービス提供 |
協力体制の強化 | 他の国際機関や民間企業との連携強化(SDGs達成への貢献) |
感染症対策の強化 | 新たな感染症への対策強化、パンデミック発生時の国際協力体制構築 |
生活習慣病対策 | 健康的な生活習慣の普及啓発、各国医療体制の整備支援 |
すべての人々の健康な社会の実現 | 変化する世界の状況を捉え、健康で安心して暮らせる社会の実現を目指す |