見えにくい?もしかして緑内障?

見えにくい?もしかして緑内障?

介護を学びたい

先生、「緑内障」って、視野が狭くなる病気ですよね?介護の場面ではどんなことに気をつけたらいいですか?

介護の研究家

そうだね、緑内障は視野が狭くなる病気だ。介護する上では、まず本人の見え方に合わせて環境を整えることが大切だよ。例えば、必要なものがどこにあるか分かりやすくする、段差や障害物に注意するなどだね。

介護を学びたい

なるほど。物の配置を工夫すればいいんですね。他に何かありますか?

介護の研究家

もちろん。声で方向や物の位置を伝える、目の負担を減らすために適切な照明を使う、そして定期的な眼科受診を促すことも大切だよ。緑内障は気づきにくい病気だから、日頃から変化に気を配ることが重要なんだ。

緑内障とは。

目の病気である『緑内障』について説明します。緑内障は、目の圧力が高くなることで視神経が傷つけられ、見える範囲が狭くなったり、視力が下がったりする病気です。失明の原因の第一位となっています。完全に治すことは難しいですが、早く見つけてきちんと治療すれば、見える範囲や視力を保つことができます。症状としては、見える範囲が狭くなる、見える範囲の一部が見えなくなる、視界の中に黒い点が見えるなどがあります。ゆっくりと進むため、自分では気づきにくい場合が多いです。発作が起きた時は、目に強い痛みを感じたり、目が充血したり、急に頭が痛くなったり、吐いたりすることがあります。血圧の高い人、低い人、糖尿病の人、強い近視の人、睡眠中に呼吸が止まる人などは、緑内障になりやすい傾向があります。

緑内障とは

緑内障とは

緑内障は、目の奥にある視神経が傷つくことで、見える範囲が狭くなったり、物が見えにくくなる病気です。視神経は、目で見た情報を脳に伝える大切な役割を担っています。この視神経が傷つく原因の一つとして、眼圧(目の内側の圧力)の上昇が挙げられます。眼圧が高い状態が続くと、視神経が圧迫され、徐々にダメージを受けていきます。

緑内障の怖いところは、初期段階では自覚症状がほとんどないことです。見える範囲が狭くなっていても、日常生活では気づきにくく、かなり進行してから異常に気づく場合が多いです。残念ながら、一度傷ついた視神経は元に戻すことができません。そのため、緑内障は根本的に治すことは難しい病気とされています。

しかし、早期に発見し、適切な治療を行うことで、病気の進行を遅らせ、見える範囲や視力を保つことは可能です。治療としては、主に点眼薬を使って眼圧を下げる方法がとられます。点眼薬の種類は様々で、患者さんの状態に合わせて医師が適切な薬を選びます。また、点眼薬以外にも、レーザー治療や手術を行う場合もあります。

緑内障は、自覚症状が現れにくいことから、気づかないうちに病気が進行し、失明に至るケースも少なくありません。実際、緑内障は日本で失明原因の第一位となっています。だからこそ、定期的な眼科検診が非常に重要です。40歳を過ぎたら、年に一度は眼科で検査を受けるようにしましょう。早期発見・早期治療こそが、緑内障から大切な視力を守る一番の方法です。

緑内障とは 視神経が傷つき、見える範囲が狭くなったり、物が見えにくくなる病気。日本では失明原因の1位。
原因 眼圧(目の内側の圧力)の上昇など。
初期症状 ほとんどない。見える範囲が狭くなっても気づきにくい。
治療法 点眼薬、レーザー治療、手術。早期発見・早期治療で進行を遅らせることが可能。
予防 40歳を過ぎたら年1回の眼科検診。

緑内障の症状

緑内障の症状

緑内障は、初期の段階ではほとんど自覚できる兆候がないため、気がつかないうちに病気が進行してしまうことが多くあります。そのため、早期発見が難しく、症状に気づいた時には既に病気がかなり進んでいるケースも少なくありません。

緑内障が進行すると、見える範囲が狭くなることがあります。これは、視野の周辺部から徐々に狭くなっていくため、最初は気づきにくい場合があります。例えば、歩いている時に周囲の物にぶつかりやすくなったり、車の運転中に他の車や歩行者に気づきにくくなったりすることがあります。また、視野の一部が欠けて見えなくなることもあります。これは、まるでカーテンがかかったように一部分が見えなくなる症状で、進行すると視野の中心にまで広がることがあります。さらに、暗い点が見える、いわゆる暗点が出現することもあります。最初は小さな点ですが、徐々に大きくなったり、数が増えたりすることがあります。これらの症状は、片方の目だけでなく両方の目に現れることもあり、左右の目の見え方に違いが生じることもあります。

一方、急性の発作が起きるタイプの緑内障もあります。この場合は、目に激しい痛みを感じたり、目が赤く充血したりします。また、突然の頭痛や吐き気を伴うこともあり、これらの症状は突然現れます。このような症状が現れた場合は、一刻も早く眼科医の診察を受ける必要があります。早期発見と適切な治療によって、病気の進行を遅らせることや、視力低下を防ぐことが期待できます。定期的な眼科検診は、緑内障だけでなく、他の目の病気の早期発見にもつながるため、大切です。

緑内障の症状 説明
初期症状 自覚症状がほとんどないため、発見が難しい。
視野の変化
  • 見える範囲が狭くなる(周辺部から徐々に)
  • 視野の一部が欠けて見えなくなる(カーテンがかかったように)
  • 暗点が出現(小さな点から徐々に拡大、増加)
急性発作の症状
  • 目に激しい痛み
  • 目が赤く充血
  • 突然の頭痛や吐き気

緑内障になりやすい人

緑内障になりやすい人

緑内障は、視野が徐々に狭くなる病気で、放置すると失明に至ることもあります。誰もがかかる可能性がありますが、特に注意が必要な方がいます。高血圧や低血圧の方は、血圧の変動が視神経への血流に影響を与え、緑内障のリスクを高めると考えられています。高血圧の場合は、血管が硬くなって眼圧が上昇しやすくなり、低血圧の場合は、視神経への酸素供給が不足しやすくなるためです。また、糖尿病の方は、高血糖の状態が長く続くと、眼の血管がもろくなり、出血や網膜剥離などを引き起こし、緑内障のリスクを高める可能性があります。さらに、強い近視の方は、眼球が伸びることで視神経が引っ張られ、損傷を受けやすくなるため、緑内障のリスクが高くなります。また、睡眠時無呼吸症候群の方は、睡眠中に呼吸が止まることで、体全体の酸素不足に陥り、視神経にもダメージを与える可能性があり、緑内障のリスクを高める一因と考えられています。加えて、緑内障は遺伝的な要素も関係しており、家族に緑内障の方がいる場合は、発症リスクが高いと言われています。これらの病気や体質をお持ちの方はもちろん、そうでない方も、40歳を過ぎたら年に一度は眼科検診を受けることをお勧めします。緑内障は初期段階では自覚症状がないことが多いため、早期発見のためには定期的な検査が重要です。早期発見・早期治療によって、進行を遅らせたり、視野の悪化を防いだりすることが期待できます。

リスク要因 メカニズム
高血圧 血管が硬くなり眼圧上昇
低血圧 視神経への酸素供給不足
糖尿病 眼の血管がもろくなり、出血や網膜剥離など
強い近視 眼球が伸び、視神経が引っ張られ損傷
睡眠時無呼吸症候群 体全体の酸素不足により視神経にダメージ
緑内障の家族歴 遺伝的要素
40歳以上 加齢とともにリスク増加

緑内障の検査

緑内障の検査

緑内障は、視野が狭くなっていく病気で、失明の原因の一つです。早期発見と適切な治療が非常に大切になります。緑内障の検査には、様々な種類がありますが、主な検査内容を詳しくご説明します。

まず、眼圧検査についてです。眼圧検査は、眼球の硬さを測ることで、眼の中の圧力である眼圧を調べる検査です。眼圧が高い状態が続くと、視神経が圧迫され、視野に影響を及ぼすことがあります。眼圧検査には、空気を眼球に吹き付けて眼圧を測定する非接触型眼圧計や、眼球に直接触れて測定する接触型眼圧計などがあります。痛みはほとんどなく、短時間で検査が完了します。

次に、眼底検査についてです。眼底検査は、眼の奥にある視神経の状態を直接観察する検査です。瞳孔を開く目薬を点眼した後、眼底カメラと呼ばれる特殊なカメラで眼底を撮影します。この検査によって、視神経乳頭の陥没の程度や、視神経線維層の欠損などを確認し、緑内障の進行度合いを評価します。

そして、視野検査についてです。視野検査は、見える範囲や、視野の欠けている部分(視野欠損)の有無や程度を調べる検査です。検査装置の前に座り、片目を閉じ、もう片方の目で中心にある光を見つめます。周辺に現れる光を認識したらボタンを押すことで、見える範囲を測定します。この検査によって、緑内障の特徴的な視野欠損の有無や程度を確認できます。視野検査は、自覚症状のない初期の緑内障を発見する上でも重要な検査です。

これらの検査結果を総合的に判断することで、緑内障の診断が下されます。緑内障は初期段階では自覚症状が現れにくい病気です。そのため、早期発見のためには、定期的な眼科検診を受けることが重要です。40歳を過ぎたら、年に一度は眼科を受診するようにしましょう。

検査名 検査内容 目的
眼圧検査 眼球の硬さを測ることで、眼の中の圧力である眼圧を調べる。非接触型と接触型がある。 眼圧が高い状態が続くと、視神経が圧迫され、視野に影響を及ぼすため、眼圧を測定する。
眼底検査 瞳孔を開く目薬を点眼した後、眼底カメラで眼底を撮影し、視神経の状態を直接観察する。 視神経乳頭の陥没の程度や、視神経線維層の欠損などを確認し、緑内障の進行度合いを評価する。
視野検査 検査装置の前に座り、片目を閉じ、中心の光を見つめ、周辺に現れる光を認識したらボタンを押すことで、見える範囲を測定する。 見える範囲や、視野の欠けている部分(視野欠損)の有無や程度を調べる。緑内障の特徴的な視野欠損の有無や程度を確認できる。

緑内障の治療

緑内障の治療

緑内障の治療は、眼圧を下げ、視神経への負担を軽くすることで、病気の進行を食い止めることを目的としています。 多くの場合、最初の治療として点眼薬が用いられます。点眼薬には様々な種類があり、患者さんの状態に合わせて、眼圧を下げる効果を高める薬や、目の房水の産生を抑える薬などが処方されます。

点眼薬は、毎日忘れずに決められた回数点眼することが重要です。 点眼を怠ると、眼圧が再び上昇し、視神経の障害が進行する恐れがあります。点眼薬の種類によっては、副作用が生じる場合もあります。目の充血やかゆみ、頭痛、吐き気などを感じた場合は、すぐに医師に相談しましょう。

点眼薬による治療だけでは効果が不十分な場合や、点眼薬の使用が難しい場合には、レーザー治療や手術といった外科的治療が検討されます。レーザー治療は、レーザー光を用いて、房水の排出をスムーズにするための通り道を作り、眼圧を下げる方法です。手術も同様に、房水の排出を促すための新たな流出路を作ることで眼圧を下げることを目的とします。

緑内障は、残念ながら完治することは難しい病気です。 しかし、早期に発見し、適切な治療を続けることで、進行を遅らせ、視機能を維持することは可能です。生涯にわたる治療が必要となるため、医師の指示を守り、定期的な検査を受けることが大切です。

日常生活においても、眼圧を上昇させやすい激しい運動や長時間のうつむき姿勢、息み込みを伴う動作などは避けるように心がけましょう。また、バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレスをためない生活も、緑内障の進行予防に役立ちます。医師との信頼関係を築き、積極的に治療に取り組むことで、緑内障と上手につきあっていくことが可能です。

項目 内容
治療の目的 眼圧を下げ、視神経への負担を軽くし、病気の進行を食い止める
主な治療法 点眼薬(様々な種類があり、患者さんの状態に合わせて処方)、レーザー治療、手術
点眼薬の重要性 毎日忘れずに決められた回数点眼する。点眼を怠ると眼圧が上昇し視神経障害の進行の恐れがある。副作用があれば医師に相談。
外科的治療 点眼薬で効果不十分な場合や使用が難しい場合に検討。レーザー治療はレーザー光で房水の排出をスムーズにする。手術は新たな流出路を作り眼圧を下げる。
予後 完治は難しいが、早期発見・適切な治療で進行を遅らせ視機能を維持できる。生涯にわたる治療が必要。
日常生活の注意点 眼圧を上昇させやすい激しい運動、長時間のうつむき姿勢、息み込みを伴う動作を避ける。バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレスをためない生活。
その他 医師の指示を守り、定期的な検査を受ける。医師との信頼関係を築き、積極的に治療に取り組む。

日常生活の注意点

日常生活の注意点

緑内障と診断された方は、日々の暮らしの中でいくつか気を付ける点があります。これらの点に注意することで、病状の進行を抑え、大切な視界と視力を守ることに繋がります。

まず、眼の圧力を上げるような激しい運動は避けるようにしましょう。急激な運動は体に負担がかかり、眼の圧力も上昇させる可能性があります。ウォーキングなどの軽い運動は問題ありませんが、激しい運動をする場合は医師に相談しましょう。また、長時間机に向かう仕事も眼に負担をかけます。一時間に一度は休憩を取り、遠くの景色を見るなどして目を休ませることが大切です。

次に、飲み物にも注意が必要です。コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインは、眼の圧力を上げる作用があると言われています。カフェインを多く含む飲み物の量を控えめにすることで、眼への負担を減らすことができます。

暗い場所で本を読むのも良くありません。薄暗い場所で目を凝らして本を読むと、目に負担がかかり、眼精疲労を引き起こします。眼精疲労は眼の圧力上昇に繋がる可能性があるため、明るい場所で読書をする習慣を身につけましょう。読書をする際は、部屋の照明だけでなく、机の上にも補助的な照明を置くと、より目に優しく読書を楽しむことができます。

規則正しい生活とバランスの良い食事も大切です。栄養バランスの良い食事は健康な体を維持するために欠かせません。睡眠不足や不規則な生活は体にストレスを与え、眼の圧力にも影響を与える可能性があります。しっかりと睡眠時間を確保し、規則正しい生活リズムを保つように心がけましょう。

最後に、心身のストレスをため込まないようにしましょう。ストレスは眼の圧力上昇の要因の一つと考えられています。趣味を楽しんだり、リラックスできる時間を作ったり、自分なりのストレス解消法を見つけることが大切です。

これらの日常生活での心掛けと、医師の指示に従った適切な治療を続けることで、緑内障の進行を遅らせ、視界と視力を守ることができます。気になることがあれば、ためらわずに医師に相談するようにしましょう。

注意点 詳細
激しい運動を避ける 眼圧上昇の可能性。軽い運動はOK、激しい運動は医師に相談。
長時間作業時の休憩 1時間に一度休憩、遠くを見る。
カフェイン摂取 コーヒー、紅茶などカフェイン摂取を控える。
暗い場所での読書 眼精疲労、眼圧上昇の可能性。明るい場所、補助照明推奨。
生活習慣 規則正しい生活、バランスの良い食事、十分な睡眠。
ストレス ストレスをため込まない、解消法を見つける。
医師への相談 気になることがあれば相談。