カルテのPHってなに?

カルテのPHってなに?

介護を学びたい

先生、「介護」と「介助」の違いがよくわからないのですが、教えていただけますか?あと、カルテに書く『PH』ってなんですか?

介護の研究家

良い質問ですね。「介護」は、食事や入浴など日常生活全般の支援を指します。一方「介助」は、特定の動作や行為を支援することで、例えば階段の上り下りを手伝うことなどが該当します。つまり、「介護」の中に「介助」が含まれると考えると分かりやすいでしょう。PHはPast Historyの略で、過去の病気やけがのことを指します。

介護を学びたい

なるほど。「介護」の方が広い意味を持つんですね。PHは過去の病気ってことですね。ありがとうございます。でも、それだと「介護」と「介助」の使い分けがまだ難しいです…。

介護の研究家

そうですね。では、具体例を挙げてみましょう。高齢の方が一人で入浴できない場合、洗ったり着替えを手伝うのは「介助」で、食事や排泄の世話も含めた日常生活全般の支援は「介護」です。PHは、例えば骨折や肺炎などを記録します。過去の病気やけがを知ることで、現在の状態をより深く理解できるのです。

PHとは。

過去の病気やけがの記録について説明します。カルテに書かれる専門用語で『PH』と表すことがあります。

カルテ用語の解説

カルテ用語の解説

病院のカルテには、専門用語がたくさん並んでいて、患者さんにとって分かりにくい言葉も多いことでしょう。カルテに書かれている内容を知ることで、自分の体の状態をより深く理解し、治療により積極的に参加することができます。今回はカルテによく出てくる「PH」という用語について解説します。「PH」は英語の「Past History」の頭文字をとったもので、日本語では「既往歴」といいます。「既往歴」とは、過去にかかった病気やけが、手術の経験などを指します。

カルテに「PHなし」と書かれている場合は、これまでに大きな病気やけが、手術の経験がないという意味です。反対に、「PH高血圧、糖尿病」と書かれている場合は、過去に高血圧や糖尿病と診断されたことがあるという意味です。他にも、アレルギーや喘息、骨折など、過去に経験した病気やけがはすべて既往歴に含まれます。

既往歴を知ることで、現在の病気の原因や治療方針を検討するのに役立ちます。例えば、過去に特定の薬でアレルギー反応が出たことがある場合、医師は同じ薬を処方することを避けるでしょう。また、過去に大きな手術を受けたことがある場合、その手術が現在の症状に関係している可能性も考えられます。

自分の既往歴を正しく伝えることは、適切な診断と治療を受ける上で非常に重要です。健康診断の結果や過去の治療歴が分かる資料があれば、受診時に医師に提示しましょう。また、健康診断や人間ドックを受ける際は、必ず過去の病歴やアレルギーの有無などを伝えるようにしましょう。

自分の体のことは、自分自身が一番よく知っているはずです。過去の病気やけが、体質などについて、医師と積極的に話し合うことで、より良い医療を受けることにつながります。

用語 意味 重要性
PH/既往歴 過去にかかった病気やけが、手術の経験など
  • 自分の体の状態をより深く理解できる
  • 現在の病気の原因や治療方針を検討するのに役立つ
  • 適切な診断と治療を受ける上で非常に重要
PHなし これまでに大きな病気やけが、手術の経験がない
PH高血圧、糖尿病など 過去に高血圧や糖尿病と診断されたことがある

既往歴の重要性

既往歴の重要性

過去の病気やけが、体質といった情報は、医療の世界では「既往歴」と呼ばれ、大変重要です。なぜなら、今のあなたの体の状態を理解し、適切な対応をするために欠かせない手がかりとなるからです。

例えば、今あなたが発熱や咳などの症状で病院を受診したとしましょう。医師はあなたの今の症状だけでなく、過去の病気の経験も参考にしながら診断を下します。もしあなたが過去に肺炎を患ったことがあるならば、医師は再び肺炎にかかっている可能性を高く考え、より詳しい検査を行うでしょう。あるいは、特定の薬でアレルギー反応が出た経験があれば、医師は同じ薬を処方することを避け、別の薬を選択するでしょう。このように、既往歴を知ることで、医師はより正確な診断と安全な治療を行うことができます

また、既往歴は将来の病気のリスクを予測するのにも役立ちます。例えば、家族に糖尿病の患者が多い、あるいは過去に高血糖を指摘されたことがある人は、将来糖尿病を発症するリスクが高いと考えられます。このような場合、医師は定期的な検査を勧めるなど、病気を早期に発見し、重症化を防ぐための対策を講じることができます。

さらに、過去の病気そのものが再発する可能性もあります。例えば、ヘルペスは一度感染すると体内に潜伏し、体調が優れない時などに再発することがあります。このような場合、過去のヘルペスの既往があれば、医師は症状からすぐにヘルペスの再発だと判断し、適切な治療を始めることができます。

このように、既往歴は現在の症状の診断、将来の病気の予防、過去の病気の再発への適切な対応など、様々な場面で重要な役割を果たします。ですから、健康診断の結果や過去の病気、アレルギー、服用中の薬など、どんなに些細なことでも医師に伝えるようにしましょう。あなたが「大したことない」と思っている情報でも、医師にとっては重要な手がかりとなる可能性があります。あなたの正確な既往歴の情報提供が、より良い医療につながるのです。

既往歴の重要性 具体例 メリット
現在の症状の診断 発熱や咳で受診した場合、過去の肺炎の既往があれば、肺炎の可能性を高く考え、詳しい検査を行う。薬のアレルギー既往があれば、別の薬を選択する。 より正確な診断と安全な治療
将来の病気の予防 家族に糖尿病患者が多い、過去に高血糖を指摘されたことがある場合、将来糖尿病のリスクが高いと考え、定期的な検査を勧める。 病気を早期に発見し、重症化を防ぐ
過去の病気の再発への適切な対応 ヘルペスの既往があれば、症状からヘルペスの再発だと判断し、適切な治療を始める。 適切な治療
情報提供の重要性 健康診断の結果、過去の病気、アレルギー、服用中の薬など、どんなに些細なことでも医師に伝える。 より良い医療につながる

既往歴の伝え方

既往歴の伝え方

病歴を正しく伝えることは、適切な診療や介護を受ける上で非常に大切です。伝え方を工夫することで、よりスムーズで的確な対応に繋がります。

まず、病名だけでなく、発症した時期や詳しい症状、治療の内容、入院していた期間などを具体的に伝えましょう。いつからどのような症状が現れ、どのような治療を受けてきたのかを伝えることで、担当の医師や介護士は、より的確な判断ができます。例えば、「3年前に高血圧と診断され、毎日薬を飲んでいます」だけでなく、「3年前の健康診断で血圧が高く、その後、病院で高血圧と診断されました。降圧剤を毎日朝晩に1錠ずつ飲んでおり、現在は血圧は安定しています。」のように伝えることで、より詳しい情報が伝わります。

また、健康診断で指摘された点や、現在服用している薬の情報も伝えましょう。健康診断の結果や薬の名前が分からなくても、おおよその時期や症状、薬の種類や服用量を伝えるだけでも参考になります。手帳やメモ、お薬手帳などにまとめておくと、診察時や介護サービス利用開始時にスムーズに伝えることができます。最近受けた健康診断の結果や、現在飲んでいる薬があれば、持参すると良いでしょう。

情報を整理しておけば、落ち着いて医師や介護士に伝えることができます。伝える内容を予め箇条書きにしておく、時系列にまとめておくなど、自分にとって伝えやすい方法で整理しておきましょう。緊張してうまく伝えられないこともあるかもしれません。そのような時は、メモを見せながら説明するのも良いでしょう。

自分の健康状態について積極的に伝えることは、より良い医療や介護を受けるための第一歩です。些細なことでも、気になることがあれば遠慮なく伝えましょう。

ポイント 詳細
病歴を具体的に伝える 病名、発症時期、症状、治療内容、入院期間などを具体的に伝える
  • 3年前の健康診断で血圧が高く、その後、病院で高血圧と診断されました。
  • 降圧剤を毎日朝晩に1錠ずつ飲んでおり、現在は血圧は安定しています。
健康診断の結果や薬の情報も伝える 健康診断で指摘された点、服用している薬の情報(名前が分からなくても、おおよその時期や症状、薬の種類や服用量を伝える) 手帳やメモ、お薬手帳などにまとめておく
情報を整理して伝える 箇条書き、時系列など、自分にとって伝えやすい方法で整理する メモを見せながら説明する
積極的に伝える 些細なことでも、気になることがあれば遠慮なく伝える

記録の保管方法

記録の保管方法

健康や医療に関する記録は、いざという時に役立つ大切なものです。日頃から整理して保管しておくことで、必要な時にすぐに確認できますし、医療機関でのスムーズなやり取りにも繋がります。

まず、母子手帳は妊娠中からお子さんの成長記録が詰まった大切なものです。保管場所を決め、大切に保管しましょう。また、定期健康診断の結果は、過去の健康状態を把握する上で重要な資料です。健診結果を受け取ったら、日付順に整理し、ファイルなどにまとめておきましょう。過去の受診記録や健康診断の結果を比較することで、健康状態の変化に気づくきっかけになることもあります。

診察券は、医療機関を受診する際に必要です。受診する医療機関ごとにまとめて保管しておくと便利です。また、薬の説明書は、薬の名前や服用方法、副作用などの情報が記載されています。薬を服用する際には必ず確認し、飲み終わった後も保管しておきましょう。

これらの記録は、紙で保管する以外にも、写真に撮ったり、写し取ってデジタルデータとして保管する方法もあります。パソコンや携帯電話に保存しておけば、場所を取らずに保管できます。ただし、機器の故障やデータの紛失に備えて、定期的にデータの複製を作ったり、別の場所に保管するなどの対策をしておきましょう。

最後に、保管場所は家族にも必ず伝えておきましょう。万が一の際に、家族がすぐに記録を見つけられるように、保管場所を共有しておくことが大切です。また、どこに何を保管しているかを一覧にして、家族と共有しておくとさらに安心です。

記録の種類 内容・重要性 保管方法
母子手帳 妊娠中からお子さんの成長記録。 保管場所を決め、大切に保管。
健康診断結果 過去の健康状態を把握する資料。健康状態の変化に気づくきっかけに。 日付順に整理し、ファイルなどにまとめて保管。
診察券 医療機関受診時に必要。 医療機関ごとにまとめて保管。
薬の説明書 薬の名前、服用方法、副作用などの情報。 服用時確認、飲み終わった後も保管。
健康・医療記録全般 いざという時に役立つ。医療機関とのスムーズなやり取りに繋がる。 紙、写真、デジタルデータ(複製、別の場所にも保管)

正確な情報の提供

正確な情報の提供

病状を正しく理解し、適切な医療を受けるためには、過去の病気や治療歴などの情報を医療者に伝えることが大切です。 正確な情報を伝えることで、医師は適切な診断と治療方針を決定することができます。

医療者との良好な関係を築くためにも、自分の情報を積極的に伝えましょう。過去の病気やけが、手術の経験、アレルギーの有無、現在服用している薬など、些細なことでも伝えることが重要です。 過去の病気について、いつ、どのような症状で、どのような治療を受けたのか、具体的な情報を伝えられるようにしておきましょう。

健康診断の結果や、他の医療機関で受けた検査結果なども持参すると、医師の診断に役立ちます。手帳やメモなどにまとめておくと、伝え忘れを防ぐことができます。

過去の病気や治療について、少しでも疑問があれば、医師や看護師に相談しましょう。 「こんなことを聞いてもいいのだろうか」とためらう必要はありません。どんな些細なことでも、相談することで不安を解消し、治療に専念することができます。

自分の体の状態について話すことは、恥ずかしいと感じる方もいるかもしれません。しかし、医療者は、患者のプライバシーを守り、偏見を持つことなく、真摯に対応します。安心して自分の状態を伝えましょう。

健康は自分自身で守るものです。 医療者と積極的にコミュニケーションを取り、より良い医療を受けるために、自分の情報を正確に伝えましょう。 健康な生活を送るためにも、医療への積極的な関わりが大切です。

目的 行動 詳細
適切な医療を受ける 医療者に情報を伝える 過去の病気、治療歴、アレルギー、現在服用中の薬など
医師の診断を助ける 資料を持参する 健康診断結果、他の医療機関での検査結果
不安解消、治療への専念 疑問点を相談する 過去の病気、治療に関する疑問
より良い医療を受ける 積極的にコミュニケーション プライバシーは守られる、偏見なく対応

まとめ

まとめ

今回のまとめとして、診療記録によく書かれる「過去の病気の記録(略してPH)」について説明しました。PHとは、過去の病気やけが、手術の経験など、これまでにかかった病気や受けた治療の全てを指します。この記録は、今の症状の原因を探ったり、これからかかりやすい病気を予測したりするために、とても大切な情報源となります。

過去の病気の記録は、現在の健康状態だけでなく、将来の健康リスクを評価する上でも非常に重要です。例えば、過去に特定の病気を患っていた場合、再発のリスクや合併症の可能性などを医師が判断する際に役立ちます。また、アレルギーの有無や過去の薬剤への反応なども、治療方針を決定する上で重要な要素となります。過去の病気の記録が詳細であればあるほど、医師はより適切な診断と治療を行うことができます。

ご自身の過去の病気の記録を医師に正確に伝えるためには、過去の病気や治療内容に関する記録を整理しておくことが大切です。母子手帳や健康診断の結果、過去の診療記録などを参考に、病名、治療期間、使用した薬剤名などをまとめておきましょう。また、健康管理アプリや手帳などに記録しておくことも有効な手段です。

医師との診察時には、これらの情報を積極的に提供し、不明な点や気になることは遠慮なく質問しましょう。過去の病気の記録を医師と共有することで、よりスムーズな診療と適切な治療につながります。健康管理のためにも、ご自身の過去の病気の記録を把握し、医師との良好なコミュニケーションを心がけることが重要です。日頃からご自身の体の状態に気を配り、健康的な生活習慣を維持しましょう。

ご自身の健康は、ご自身の手で守っていくものです。過去の病気の記録を適切に管理し、医師と協力しながら健康を守り、より良い生活を送るために役立てましょう。

項目 内容
過去の病気の記録(PH)とは 過去の病気やけが、手術の経験など、これまでにかかった病気や受けた治療の全て
PHの重要性
  • 今の症状の原因を探る
  • これからかかりやすい病気を予測する
  • 将来の健康リスクを評価する(再発リスク、合併症、アレルギー、薬剤反応など)
  • 医師が適切な診断と治療を行うために役立つ
PHを医師に伝えるための準備
  • 母子手帳、健康診断結果、過去の診療記録などを参考に記録を整理
  • 病名、治療期間、使用した薬剤名などをまとめる
  • 健康管理アプリや手帳への記録
医師との診察時
  • 情報を積極的に提供する
  • 不明な点や気になることは質問する
健康管理
  • 日頃から体の状態に気を配る
  • 健康的な生活習慣を維持する
  • 過去の病気の記録を適切に管理し、医師と協力する