慢性結膜炎:知っておくべき症状と対策
介護を学びたい
先生、「介護」と「介助」の違いがよくわからないのですが、教えていただけますか?例えば、慢性結膜炎の患者さんに対して行う場合、どんな違いがあるのでしょうか?
介護の研究家
良い質問ですね。簡単に言うと、「介護」は日常生活を送る上で必要なことを、その人ができない部分を全体的に支えることで、「介助」はその人の自立を促すために行う、部分的なサポートです。慢性結膜炎の患者さんを例に考えてみましょう。
介護を学びたい
はい。慢性結膜炎だと、目の充血やかゆみなどが続くんですよね。具体的に介護と介助ではどんな違いがあるのでしょうか?
介護の研究家
そうですね。慢性結膜炎で目の不自由さが少しある場合、点眼薬を自分でさせようと促し、うまくさせない部分だけ手伝うのは「介助」です。一方、視力がかなり落ちて日常生活に支障が出ている場合は、食事や入浴、排泄など身の回りのことを全体的にサポートするのが「介護」になります。つまり、自立を支援するのが「介助」で、生活全般を支えるのが「介護」ということですね。
慢性結膜炎とは。
『長く続く目の炎症』(目が赤くなるなどの症状は軽いけれど、長く続く目の病気のことです)について説明します。これは『介護』と『介助』に関係することです。
慢性結膜炎とは
慢性結膜炎は、目の表面を覆っている薄い膜、結膜に炎症が起きて、それが長く続く病気です。急性の結膜炎のように急に症状が出ることはなく、比較的軽い充血やかゆみなどの症状が長引きます。一般的には、四週間以上症状が続くと慢性結膜炎と診断されます。症状が軽くても放っておくと、視力が下がったりするなど、重い問題につながることもあるので、早く診断を受けて、きちんと治療することが大切です。
慢性結膜炎の原因は様々です。細菌やウイルスによる感染、アレルギー反応、目が乾くドライアイ、刺激のあるものにさらされることなどが挙げられます。また、体全体の病気から来る場合もあります。ですから、自分で判断して治療するのではなく、眼科の先生に診てもらって正しい診断を受けることが重要です。
慢性結膜炎の治療法は、原因によって違います。細菌感染が原因の場合は、抗菌の目薬を使います。アレルギーが原因の場合は、抗アレルギーの目薬や飲み薬を使います。ドライアイが原因の場合は、人工涙液などの目薬を使って目を潤します。刺激物が原因の場合は、その刺激物を取り除くことが重要です。また、場合によっては、ステロイドの目薬や飲み薬を使うこともあります。症状に合わせて、医師が適切な薬を選びます。
慢性結膜炎は、きちんと治療すれば治る病気です。しかし、放っておくと視力に影響が出たり、他の目の病気を併発する可能性もあります。少しでも気になる症状があれば、早めに眼科を受診しましょう。目の健康を守るためには、定期的な検査も大切です。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 目の表面を覆う結膜に炎症が四週間以上続く病気 |
症状 | 比較的軽い充血やかゆみなど。長引く。 |
原因 | 細菌、ウイルス、アレルギー、ドライアイ、刺激物、体全体の病気など様々 |
治療法 | 原因による – 細菌感染:抗菌目薬 – アレルギー:抗アレルギー目薬、飲み薬 – ドライアイ:人工涙液 – 刺激物:刺激物の除去 – その他:ステロイド目薬、飲み薬など |
予後 | きちんと治療すれば治る。放置すると視力低下や他の目の病気併発の可能性あり。 |
その他 | 早期の診断と治療、定期的な検査が重要 |
主な症状と見分け方
目の慢性的な炎症である慢性結膜炎は、様々な要因によって引き起こされ、比較的軽い症状が長期間続くのが特徴です。主な症状としては、目が赤くなる充血、かゆみを伴う不快感、目に何かが入っているような異物感、目やになどの分泌物の増加、涙が過剰に出るといったものがあります。これらの症状は、細菌やウイルス感染によって起こる急性結膜炎と似ているため、自己判断で見分けるのは困難です。
急性結膜炎は、発症が急で、強い痛みや大量の目やにを伴うことが多いのに対し、慢性結膜炎は、症状がゆっくりと現れ、痛みはそれほど強くなく、目やにの量も少ない傾向があります。例えば、朝起きた時に目やにで目が開かないといった症状は、急性結膜炎でよく見られますが、慢性結膜炎ではあまり見られません。また、急性結膜炎は数日から数週間で治まることが多いですが、慢性結膜炎は4週間以上、場合によっては数ヶ月以上も症状が続くことがあります。
目の症状が長引く場合は、慢性結膜炎だけでなく、他の目の病気の可能性も考えられるため、自己判断で市販の目薬を使用するのは危険です。市販の目薬の中には、血管を収縮させて充血を抑える効果のあるものがありますが、これは一時的に症状を隠すだけで、根本的な治療にはなりません。また、間違った目薬を使用すると、症状が悪化したり、真の原因の特定が遅れたりする可能性があります。少しでも目の異変を感じたら、眼科医の診察を受けることが大切です。眼科医は、症状や経過、視力検査、細隙灯顕微鏡検査などの結果を総合的に判断して診断を下し、原因に応じた適切な治療を行います。
項目 | 急性結膜炎 | 慢性結膜炎 |
---|---|---|
発症 | 急 | ゆっくり |
期間 | 数日から数週間 | 4週間以上、場合によっては数ヶ月以上 |
痛み | 強い痛み | 痛みはそれほど強くない |
目やに | 大量、朝目が開かないことも | 少ない |
その他の症状 | 充血、かゆみ、異物感、涙 | 充血、かゆみ、異物感、涙 |
考えられる原因
目の表面を覆う薄い膜である結膜に炎症が続く慢性結膜炎。その原因は実に様々で、ご自身で判断するのは大変難しいものです。まず、目に見えない小さな生き物による感染が考えられます。細菌やウイルスといった、いわゆる病原菌や、クラミジアという性感染症の原因となる微生物も結膜炎を引き起こすことがあります。
次に、アレルギー反応も大きな原因の一つです。空気中を漂うスギやヒノキの花粉、家の中のホコリやダニなどが、目のかゆみと炎症を引き起こすことがあります。また、毎日使うものも原因となることがあります。コンタクトレンズの不適切な使い方や、化粧品、洗剤、タバコの煙などの刺激物が、結膜を傷つけて炎症を起こすことがあります。
さらに、体全体の病気が原因となることもあります。涙の量が減って目が乾くドライアイや、涙や唾液などの分泌液が少なくなるシェーグレン症候群といった病気も、慢性結膜炎と関係があります。
このように慢性結膜炎の原因は多岐にわたるため、眼科の先生に診てもらうことが大切です。先生は、お話を聞いたり、検査をすることで原因を突き止め、適切な治療法を決めてくれます。例えば、細菌感染が原因であれば抗菌の目薬、アレルギーが原因であれば抗アレルギーの目薬を処方されます。原因が特定できない場合でも、症状を和らげるための治療を受けることができます。自己判断で市販の目薬などを使うのは、症状を悪化させる可能性があるので避けましょう。
原因のカテゴリー | 具体的な原因 |
---|---|
感染症 | 細菌、ウイルス、クラミジア |
アレルギー | 花粉(スギ、ヒノキ)、ホコリ、ダニ |
刺激物 | コンタクトレンズの不適切な使用、化粧品、洗剤、タバコの煙 |
全身疾患 | ドライアイ、シェーグレン症候群 |
適切な治療法
目の粘膜である結膜に炎症が続く慢性結膜炎。その治療は、原因を特定することが何よりも大切です。原因別に適切な治療法を見ていきましょう。
細菌が原因で起こる細菌性結膜炎の場合、抗菌目薬や抗菌性の眼軟膏を用います。目薬は、炎症を起こしている部分に直接作用させ、細菌の増殖を抑えます。眼軟膏は、目薬よりも持続時間が長いため、夜間など、目薬を点しにくい時間帯に使用されることが多いです。
アレルギーが原因の場合は、抗アレルギー目薬を使用します。アレルギー反応を抑えることで、かゆみなどの症状を和らげます。症状が強い場合には、飲み薬が処方されることもあります。
涙の量が少なくなるドライアイが原因の場合は、人工涙液やヒアルロン酸など、涙の成分を補う目薬を用います。また、涙の分泌を促す目薬を使用することもあります。これらの目薬は、目の表面を潤し、乾燥を防ぎます。
ほこりや煙などの刺激物が原因の場合は、まずその刺激物を遠ざけることが重要です。刺激物が取り除かれれば、多くの場合、症状は自然と治まります。
コンタクトレンズが原因の場合は、レンズの使用を一時的に中止します。医師の指示に従い、症状が改善したら、レンズの素材や種類を変えるなどして、再発を防ぎます。
体の免疫システムが自分の組織を攻撃してしまうシェーグレン症候群などの病気が原因となっている場合は、その病気に対する治療も行います。
慢性結膜炎は、自己判断で治療せず、必ず眼科医の診察を受け、適切な治療を受けるようにしましょう。医師の指示に従い、根気強く治療を続けることが大切です。
原因 | 治療法 |
---|---|
細菌性結膜炎 | 抗菌目薬、抗菌性眼軟膏 |
アレルギー | 抗アレルギー目薬、飲み薬 |
ドライアイ | 人工涙液、ヒアルロン酸、涙の分泌を促す目薬 |
ほこり、煙などの刺激物 | 刺激物を遠ざける |
コンタクトレンズ | レンズの使用を一時的に中止、レンズの素材や種類を変える |
シェーグレン症候群などの病気 | 原因となる病気の治療 |
日常生活での注意点
慢性結膜炎は、目の粘膜に炎症が起こり、長引く病気です。症状を悪化させないためには、日々の生活での心がけが重要です。まず、目をこするのは絶対にやめましょう。かゆみや異物感があっても、こすることで結膜が傷つき、炎症がひどくなることがあります。どうしても我慢できない場合は、冷たいタオルで目を冷やすと、かゆみが和らぎます。
目を拭くときは、清潔なタオルやハンカチを使いましょう。家族と共有するのは避け、一人一枚の専用のものを使うのが理想です。特に、細菌やウイルスが原因で起こる感染性結膜炎の場合は、タオルの共有によって他の人に病気をうつしてしまう可能性があるので、注意が必要です。使ったタオルはこまめに洗濯し、日光でよく乾かしましょう。
コンタクトレンズを使っている人は、レンズの清潔を保ち、使用方法を正しく守りましょう。レンズケースも清潔に保ち、定期的に交換することが大切です。また、アイメイクをする人は、目の周りを清潔に保ち、化粧品が目に入らないように注意しましょう。寝る前は必ずアイメイクを落とし、目元を清潔な状態にして休みましょう。
アレルギーが原因で結膜炎になっている場合は、何が原因物質となっているのかを調べ、なるべく近づかないようにしましょう。たとえば、花粉症の場合は、花粉の飛散が多い時期は外出を控えたり、マスクや眼鏡を着用するなどして、対策をとりましょう。
空気の乾燥も結膜炎を悪化させる原因の一つです。部屋の湿度を適切に保つために、加湿器を使ったり、濡れたタオルを干したりするのも効果的です。また、エアコンの風が目元に直接当たらないように気をつけましょう。
最後に、規則正しい生活を送り、栄養バランスの良い食事を摂ることで、体の抵抗力を高め、結膜炎の症状改善にも繋がります。十分な睡眠、適度な運動を心がけ、健康な毎日を送りましょう。
対策 | 詳細 |
---|---|
目をこすらない | かゆみや異物感があっても、こすらない。どうしても我慢できない場合は、冷たいタオルで目を冷やす。 |
清潔なタオルやハンカチを使う | 家族と共有せず、一人一枚の専用のものを使う。使ったタオルはこまめに洗濯し、日光でよく乾かす。 |
コンタクトレンズの清潔を保つ | レンズの清潔を保ち、使用方法を正しく守る。レンズケースも清潔に保ち、定期的に交換する。 |
アイメイクに注意する | 目の周りを清潔に保ち、化粧品が目に入らないように注意する。寝る前は必ずアイメイクを落とす。 |
アレルギーの原因物質を避ける | 原因物質を調べ、なるべく近づかないようにする。花粉症の場合は、花粉の飛散が多い時期は外出を控えたり、マスクや眼鏡を着用する。 |
空気の乾燥を防ぐ | 加湿器を使ったり、濡れたタオルを干したりして、部屋の湿度を適切に保つ。エアコンの風が目元に直接当たらないようにする。 |
規則正しい生活を送る | 十分な睡眠、適度な運動を心がけ、栄養バランスの良い食事を摂る。 |