デング熱に気をつけよう
介護を学びたい
先生、「介護」と「介助」の違いがよくわからないのですが、教えていただけますか?あと、デング熱についても教えてください。
介護の研究家
なるほど。「介護」は、食事や入浴、排泄など、日常生活を送る上で必要なことを全体的に支えることを指します。一方「介助」は、何か特定の動作や行為をするときに、その一部をサポートすることを言います。例えば、歩行が困難な方に杖を渡したり、服を着るのを手伝ったりするのが「介助」です。
デング熱は蚊が媒介する感染症で、高熱や頭痛、関節痛などの症状が出ます。重症化すると出血熱になることもあります。国内でも感染例があるので注意が必要です。
介護を学びたい
ありがとうございます。つまり、「介護」の中に「介助」が含まれるということですね。デング熱は蚊に刺されることで感染するのですね。人から人へは感染しないのでしょうか?
介護の研究家
その理解で合っています。「介護」という大きな枠組みの中に、食事の「介助」や入浴の「介助」など、様々な「介助」が含まれるイメージです。
デング熱は、感染した蚊に刺されることで感染します。人から人へ直接感染することはありませんので、ご安心ください。
デング熱とは。
「介護」と「介助」について説明する前に、まずは「デング熱」という病気についてお話します。デング熱は、デングウイルスという病原体を持った蚊(主にネッタイシマカとヒトスジシマカ)に刺されることでかかる感染症です。デングウイルスを運ぶ蚊は、暑い地域や温かい地域を中心に100以上の国で見られ、世界中で毎年およそ1億人がデング熱にかかっているとされています。日本では2014年に、およそ70年ぶりに国内で感染した人が見つかり、私たちの国でも注意が必要な病気となっています。
デング熱になると、蚊に刺されてから2日から15日後(多くの場合は3日から7日後)に熱が出始めます。熱は38度から40度と高く、頭痛、目の奥の痛み、関節の痛み、筋肉痛、発疹などの症状が現れます。これらの症状は1週間ほどで治まることが多いです。しかし、ごくまれに、さらに重い症状になり、出血したり、ショック状態になったりするデング出血熱に進行することがあります。
デング熱は、デングウイルスを持っているネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることで感染します。ヒトスジシマカは、ヤブカとも呼ばれ、日本にも住んでいます。症状が出ないまま感染している人を蚊が刺すと、その蚊の体内でウイルスが増え、およそ1週間後には、その蚊が他の人を刺すことで感染を広げる可能性があります。ただし、人から人へ直接うつることはありません。
デング熱とは
蚊が媒介するウイルス感染症「デング熱」は、デングウイルスを持っている蚊に刺されることで人に感染します。感染すると、高い熱が出て、強い痛みを伴う様々な症状が現れます。この病気を引き起こすデングウイルスを運ぶ蚊は、主に気温の高い熱帯や亜熱帯地域に生息しています。しかし、近年は地球全体の気温が上昇している影響もあり、これまでデング熱の発生が見られなかった日本の国内でも感染者が報告されています。実際、2014年にはおよそ70年ぶりに国内での感染が確認され、改めて日本国内でも感染する危険性があることが注目されています。世界中で見ると、デング熱に感染する人は年に約1億人にものぼると言われており、決して遠い国だけの病気ではありません。海外旅行や仕事で海外へ行く人は特に注意が必要です。また、国内であっても、蚊に刺されないように対策を心がけることが大切です。
デング熱の症状は、突然の高熱に始まり、強い頭痛、目の奥の痛み、筋肉痛、関節痛などが現れます。発疹が出ることもあり、吐き気や嘔吐、下痢などの症状を伴う場合もあります。これらの症状はインフルエンザに似ている部分もありますが、デング熱は適切な治療を受けないと重症化することがあります。まれに、デング出血熱やデングショック症候群といった命に関わる危険な状態になることもあるため、早期発見と適切な治療が重要です。
デング熱の予防で最も重要なのは、蚊に刺されないようにすることです。蚊は日中に活動するため、長袖の服を着たり、虫よけスプレーを使用したりするなど、肌の露出を避けることが有効です。また、蚊の繁殖を防ぐことも大切です。家の周りの水たまりをなくしたり、植木鉢の受け皿の水をこまめに捨てるなど、蚊が卵を産みやすい場所を減らすことで、感染リスクを下げることができます。海外へ行く際には、現地の蚊の活動状況や感染症の情報を確認し、必要な予防策を講じるようにしましょう。そして、もしデング熱が疑われる症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診することが大切です。
項目 | 内容 |
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感染経路 | デングウイルスを持っている蚊に刺される |
症状 | 高熱、強い頭痛、目の奥の痛み、筋肉痛、関節痛、発疹、吐き気、嘔吐、下痢など |
重症化リスク | あり(デング出血熱、デングショック症候群) |
発生地域 | 主に熱帯・亜熱帯地域、近年は日本国内でも感染報告あり |
感染者数 | 世界中で年間約1億人 |
予防策 | 蚊に刺されないようにする(長袖着用、虫よけスプレー使用など)、蚊の繁殖を防ぐ(水たまりをなくすなど) |
注意事項 | 海外渡航時は現地の情報を確認、症状が出たらすぐに医療機関を受診 |
主な症状
蚊に刺されてから二日から十五日、多くの場合は三日から七日ほど経つと、デング熱の症状が現れ始めます。これは、ウイルスが体内で増殖するまでの潜伏期間にあたります。そして、この期間を経て、突然高熱、頭痛、眼の奥の痛み、関節や筋肉の痛み、発しんといった症状が一斉に現れるのが特徴です。
特に高熱は三八度から四〇度に達することもあり、まるで焼けるような感覚に襲われます。さらに、激しい頭痛や眼の奥の痛み、体中を締め付けられるような関節痛や筋肉痛が加わることで、日常生活を送るのも困難になるほどの苦痛を伴います。まるで骨が砕けるような痛みと表現する人もいるほどです。布団から起き上がることも、食事をすることも、着替えをすることもままならない状態に陥り、周りの人の助けなしでは生活が難しくなる場合もあります。
こうした強い症状は通常一週間程度続き、その後は徐々に回復に向かいます。しかし、まれに重症化し、出血症状やショック症状を伴う「デング出血熱」を発症することがあります。これは、血管から血液が漏れ出すことによって引き起こされ、血圧の低下や臓器へのダメージをもたらします。最悪の場合、命に関わる危険な状態になる可能性も否定できません。
そのため、デング熱を疑う症状が現れた場合は、決して自己判断せず、速やかに医療機関を受診することが大切です。早期の診断と適切な治療によって、重症化を防ぎ、早期の回復を目指すことができるのです。特に、海外渡航歴がある場合は、その旨を医師に伝えることで、よりスムーズな診断につながります。少しでも気になる症状がある場合は、ためらわずに医療機関の門を叩きましょう。
項目 | 内容 |
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潜伏期間 | 蚊に刺されてから2~15日(多くは3~7日) |
初期症状 | 突然の高熱、頭痛、眼の奥の痛み、関節や筋肉の痛み、発しん |
高熱 | 38~40度 |
その他の症状 | 激しい頭痛、眼の奥の痛み、体中を締め付けられるような関節痛や筋肉痛 |
症状の持続期間 | 約1週間 |
重症化 | まれにデング出血熱(血管から血液が漏れ出す、血圧低下、臓器へのダメージ) |
重症化時のリスク | 命に関わる危険な状態 |
対応 | 自己判断せず、速やかに医療機関を受診(海外渡航歴を伝える) |
感染経路
蚊を介して感染する病気であるデング熱は、デングウイルスを保有する蚊に刺されることで人に感染します。デング熱の感染を引き起こすウイルスには、1型から4型までの4つの型が存在します。一度感染すると、その型のウイルスに対しては免疫ができますが、他の型のウイルスには感染する可能性があります。
デング熱を媒介する主な蚊の種類は、ネッタイシマカとヒトスジシマカの2種類です。ネッタイシマカは熱帯や亜熱帯地域に生息し、ヒトスジシマカは日本全国に広く分布しています。ヒトスジシマカは一般的に「ヤブカ」と呼ばれ、藪や茂みなど、湿気の多い場所に生息しています。
蚊がウイルス保有者である感染者を刺すと、蚊の体内でウイルスが増殖します。その後、ウイルスを保有した蚊が他の人を刺すことで、デング熱は感染していきます。感染してから発症するまでの潜伏期間は、3日から7日程度と言われています。感染者は、発症する1日前から発症後5日程度までウイルス量が増加し、この期間に蚊に刺されると、その蚊もウイルスを保有するようになり、新たな感染源となってしまいます。
重要なのは、デング熱は人から人へ直接感染することはありません。握手や会話、同じ食器を使うことで感染することはありませんので、過度に心配する必要はありません。感染拡大を防ぐためには、蚊に刺されないようにすることが最も重要です。長袖長ズボンを着用したり、虫よけスプレーを使用したりするなど、蚊に刺されないための対策をしっかりと行いましょう。また、蚊の発生源となる水たまりをなくすことも重要です。
項目 | 内容 |
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感染経路 | 蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)を介した感染 |
ウイルス型 | 1型~4型(一度感染するとその型の免疫ができるが、他の型には感染する可能性あり) |
媒介蚊 |
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感染サイクル | 蚊が感染者を刺す → 蚊の体内でウイルスが増殖 → 蚊が他の人を刺す → 感染 |
潜伏期間 | 3~7日程度 |
感染期間 | 発症1日前~発症後5日程度 |
人から人への感染 | なし(握手、会話、同じ食器の使用等では感染しない) |
予防策 | 蚊に刺されないようにする(長袖長ズボン、虫よけスプレーなど)、蚊の発生源となる水たまりをなくす |
予防策
デング熱という病気の予防で一番大切なのは、蚊に刺されないようにすることです。デング熱は、蚊がウイルスを運ぶことで人に感染する病気ですから、蚊に刺されない工夫をすれば、感染を防ぐことができるのです。
特に気を付けたいのは日中の時間帯です。デングウイルスを運ぶ蚊は、夜ではなく日中に活動的になります。ですから、日中に外に出る時は、蚊に刺されないための対策をしっかり行う必要があります。まず、肌をなるべく露出しないようにしましょう。長袖の服や長ズボンを身につけ、蚊が肌に直接触れないようにすることが大切です。さらに、虫除けスプレーも効果的です。肌に直接吹きかけることで、蚊を寄せ付けにくくする効果があります。
蚊に刺されないための対策は、屋外だけでなく屋内でも必要です。蚊は、窓やドアの隙間から家の中に入ってくることがあります。ですから、窓やドアには網戸を設置しましょう。網戸があれば、蚊の侵入を防ぎ、家の中でも安心して過ごすことができます。また、蚊取り線香や電気式の蚊取り器なども有効です。これらの道具を使うことで、家の中に入った蚊を駆除したり、寄せ付けにくくしたりすることができます。
さらに、蚊の発生源を減らすことも重要です。蚊は水たまりに卵を産み、そこで幼虫が育ちます。庭やベランダに置いてあるバケツや植木鉢の受け皿などに水が溜まっていると、蚊にとって絶好の繁殖場所になってしまいます。ですから、これらの場所に水が溜まらないように気を付け、定期的に水を捨てましょう。水たまりをなくすことで、蚊の数を減らし、デング熱の感染リスクを下げることができるのです。
対策 | 詳細 |
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日中の外出時 | 肌をなるべく露出しない(長袖、長ズボン着用)、虫除けスプレーを使用する |
屋内 | 窓やドアに網戸を設置する、蚊取り線香や電気式蚊取り器を使用する |
蚊の発生源対策 | 水たまりをなくす(バケツ、植木鉢の受け皿などに水を溜めない) |
治療法
デング熱という病気には、残念ながらこれといった特別な治療薬がありません。ですから、治療の中心は、つらい症状を少しでも楽にする、対症療法と呼ばれる方法になります。
まず、高い熱が出ている場合には、熱を下げるための解熱薬を使います。そして、体に痛みがある場合は、痛みを和らげる鎮痛薬を服用します。デング熱になると、しばしば体の水分が失われてしまう脱水症状が起こります。これを防ぐためには、こまめに水分を摂ることがとても大切です。お茶やお水、イオン飲料などを積極的に飲みましょう。
症状が重い場合には、入院が必要となることもあります。入院すると、点滴によって水分や栄養を補給したり、酸素吸入によって呼吸を楽にしたりといった処置が行われます。
安静にして体力の回復を促すことも、回復への重要な一歩です。無理をせずに、ゆっくりと体を休ませるようにしましょう。
自己判断で薬を飲むのは危険です。市販の薬を勝手に使うのではなく、必ず医療機関を受診して、医師の指示に従って適切な治療を受けるようにしてください。医師は、あなたの症状に合わせて、最適な治療方法を判断してくれます。
症状 | 対処法 |
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高熱 | 解熱薬の使用 |
体の痛み | 鎮痛薬の服用 |
脱水症状 | こまめな水分補給(お茶、水、イオン飲料など) |
重症化 | 入院による水分・栄養補給、酸素吸入 |
体力低下 | 安静 |
重要:自己判断での薬の使用は避け、医療機関を受診しましょう。