楽に動ける!ギャッジベッド解説

楽に動ける!ギャッジベッド解説

介護を学びたい

先生、「介護」と「介助」ってどちらも人の世話をするって意味ですよね?違いがよくわからないんですが教えてもらえますか?あと、ギャッジベッドってどんなベッドですか?

介護の研究家

良い質問ですね。確かにどちらも人の世話をする意味ですが、「介護」は日常生活を送るのが難しい人の、食事や入浴、排泄など全般的なお世話をすることを指します。一方「介助」は、特定の動作や行動を補助することを指します。例えば、階段の上り下りを手伝ったり、服を着るのを手伝ったりすることですね。ギャッジベッドは、起き上がるのが難しい人のために、電動で頭や足の部分の高さを変えられるベッドのことです。

介護を学びたい

なるほど。「介護」の方が「介助」よりも広い意味を持つんですね。ギャッジベッドは電動で動くからこそ、介助する側も楽になりそうですね。

介護の研究家

その通りです。介護する人、される人、どちらにとっても負担を減らし、安全に日常生活を送れるように工夫されているんです。ギャッジベッドはまさにそのための道具の一つですね。

ギャッジベッドとは。

『介護用ベッド』について説明します。介護用ベッドは、体の具合が悪かったり、障がいがあったりで、自分で起き上がったり座ったりすることが難しい方が使う福祉用具です。ベッドから起き上がる時、モーターの力で頭を上げたり、ベッドの高さを変えたりすることができます。頭を上げる機能とベッドの高さを変える機能の2つがついたものを2モーター式、さらに足を上げる機能もついたものを3モーター式といいます。

ギャッジベッドとは

ギャッジベッドとは

ギャッジベッドとは、自力で起き上がったり寝返りを打ったりすることが難しい方のために作られた特別なベッドのことです。正式には特殊寝台と呼ばれ、介護が必要な方のいるご家庭や、介護施設などで広く使われています。このベッドは、電動の仕組みでベッドの高さを上下させたり、背もたれや足元の角度を自由に調整できることが大きな特徴です。

このギャッジベッドは、寝たきりの方や、体の麻痺のある方、加齢によって筋力が衰えた方など、様々な方が利用することで、毎日の生活を楽にすることができます。例えば、ベッドから起き上がる際に、背中や腰に負担がかかりにくいため、ご本人だけでなく、介助する方の負担を軽くする効果も期待できます。また、体の向きや姿勢をこまめに変えることで、床ずれや呼吸が苦しくなるのを防ぐのにも役立ちます。さらに、ベッドの高さを調整することで、車椅子への乗り移りもスムーズになり、介助する側の腰への負担も軽減されます。

ギャッジベッドには様々な種類があり、背もたれと足元が連動して動くものや、それぞれ独立して動くもの、ベッドの高さを床から低くできるものなど、機能も様々です。利用する方の体の状態や、どのような介助が必要かによって、最適なベッドを選ぶことが大切です。そのため、購入を検討する際には、専門家や介護用品の販売員に相談し、それぞれの機能や特徴をしっかりと理解した上で選ぶようにしましょう。適切なギャッジベッドを選ぶことで、介護される方、介護する方の双方にとって、より快適で安全な生活を送ることができるようになります。

ギャッジベッド(特殊寝台) 特徴 メリット 対象者
電動で高さ、背もたれ、足元の角度を調整可能
  • ベッドの高さを上下できる
  • 背もたれや足元の角度を調整できる
  • 種類によって機能が異なる(背もたれと足元が連動、独立可動、低床など)
  • 本人と介助者の負担軽減(起き上がり、体位変換など)
  • 床ずれや呼吸困難の予防
  • 車椅子への乗り移りがスムーズ
  • 介護者と要介護者双方にとって快適で安全な生活
  • 寝たきりの方
  • 体の麻痺のある方
  • 加齢で筋力が衰えた方
購入時の注意点 専門家や介護用品販売員に相談し、利用者の状態や必要な介助に合わせて最適なベッドを選ぶ

ギャッジベッドの種類

ギャッジベッドの種類

介護用の電動ベッド、ギャッジベッドには、大きく分けて二つの種類があります。一つは二つのモーターで動く二モーター式、もう一つは三つのモーターで動く三モーター式です。

二モーター式は、二つのモーターを使って、頭の位置の高さと角度、そしてベッド全体のの高さを調節できます。たとえば、朝起き上がる時、まず頭の位置を上げて上体を起こし、それからベッドの高さを上げて足元の床に近づけることで、スムーズに立ち上がることができます。起き上がり動作が難しい方にとって、これは大きな助けとなります。また、ベッドの高さを調整することで、介護をする人の腰への負担を少なくすることもできます。

三モーター式は、二モーター式の機能に加えて、もう一つのモーターで足の角度を調節する機能を持っています。足の部分を上げることで、心臓より足の位置が高くなり、足のむくみを軽減したり、血行を良くしたりする効果が期待できます。長時間ベッドで過ごす必要がある方にとって、足のむくみは大きな問題となるため、これは大変重要な機能です。さらに、膝を曲げた状態を保つことで、腰への負担を軽くすることもできます。腰痛持ちの方や、腰の手術後などに、この機能は大変役に立ちます。

このように、ギャッジベッドのモーター数によって、動かせる部分とできることが変わってきます。利用する方の状態や必要な機能に合わせて、適切なモーター数のギャッジベッドを選ぶことが大切です。必要に応じて、専門家である医師や介護士、福祉用具専門相談員などに相談しながら、最適なギャッジベッドを選びましょう。

モーター数 動かせる部分 できること メリット
二モーター 頭の高さ・角度、ベッド全体の高さ 頭の位置とベッドの高さを調節 スムーズな起き上がり、介護者の腰への負担軽減
三モーター 頭の高さ・角度、ベッド全体の高さ、足の角度 二モーターの機能+足の角度調節 足のむくみ軽減、血行促進、腰への負担軽減

ギャッジベッドのメリット

ギャッジベッドのメリット

寝台傾斜昇降式電動ベッド、いわゆるギャッジベッドは、利用者と介助者の双方に多くの利点をもたらします。

利用者にとってまず挙げられるのは、起き上がりや寝返り、姿勢変換が容易になることです。背もたれや脚部の角度を電動で調節できるため、自分の力で姿勢を変えることが難しくても、スムーズに体の向きを変えたり、起き上がったりすることができます。このことは、利用者の自立支援に繋がり、日常生活動作の向上に大きく貢献します。また、ギャッジベッドは適切な姿勢を保つことを容易にします。これにより、床ずれや呼吸困難、誤嚥性肺炎などのリスクを軽減することができます。さらに、ベッドの高さを調節することで、ベッドからの乗り降りも楽になり、転倒のリスクも低減できます。

介助者にとっても、ギャッジベッドは大きな助けとなります。ベッドの高さを調節できるため、介助者の腰への負担を大幅に軽減できます。ベッドを適切な高さに設定することで、無理な姿勢での介助作業を減らし、腰痛などの職業病予防に繋がります。また、利用者の自立を促すことで、介助にかかる時間や労力を減らすことができます。ギャッジベッドを用いることで、食事介助や清拭、排泄介助などの作業もよりスムーズに行うことができ、介助の質向上に繋がります。

このように、ギャッジベッドは利用者の生活の質の向上介助者の負担軽減の両方に大きく貢献する、介護現場にとって重要な設備と言えるでしょう。適切なギャッジベッドの導入は、より良い介護環境を実現するために不可欠です。

対象 メリット 具体的な効果
利用者 起き上がりや寝返り、姿勢変換が容易 自立支援、日常生活動作の向上
適切な姿勢を保つことが容易 床ずれや呼吸困難、誤嚥性肺炎などのリスク軽減
ベッドからの乗り降りが楽になる 転倒リスクの低減
生活の質の向上
介助者 腰への負担を軽減 腰痛などの職業病予防
介助にかかる時間や労力の削減 介助の質向上
負担軽減

ギャッジベッドを選ぶポイント

ギャッジベッドを選ぶポイント

寝台を選ぶことは、介護する方の負担を軽くし、介護される方の生活の質を高める上でとても大切なことです。適切な寝台を選ぶためには、いくつかの大切な点を踏まえる必要があります。まず、介護される方の状態を丁寧に把握することが重要です。体の大きさ、体重、寝返りの頻度、起き上がりの状態、麻痺の有無など、具体的な状態を把握することで、必要な機能が見えてきます。例えば、体が大きく寝返りが困難な方であれば、電動で角度調整できる機能や、幅の広いマットレスが必要となるでしょう。また、起き上がりに苦労する方であれば、背もたれを高く調整できる機能が役立ちます。

次に、部屋の広さを考慮しなければなりません。寝台を置いた際に、介護する方が動き回れる十分な空間があるか、車椅子を使う場合はその動線を確保できるか、などを確認しましょう。部屋の寸法を測り、設置予定の寝台のサイズと比較することで、適切なサイズかどうか判断できます。介護する方が無理なく介助できるスペースを確保することが大切です。介助に必要な機器、例えば、歩行器や移動用リフトなどを配置するスペースも考慮しておきましょう。

そして、予算も大切な要素です。寝台には様々な種類があり、価格も大きく異なります。電動機能の有無やマットレスの種類によって価格が変わるため、必要な機能を絞り込み、予算内で最適な寝台を選ぶことが大切です。介護保険の適用範囲や自治体の補助制度なども確認し、費用の負担を軽減できる方法を検討してみましょう。

最後に、専門家や販売店に相談することをお勧めします。専門家は、介護される方の状態や部屋の状況、予算に合わせて、最適な寝台を提案してくれます。販売店では、実物を確認し、実際に寝台の操作方法や機能を体験することができます。これらの情報収集を通して、納得のいく寝台選びを実現しましょう。

考慮事項 ポイント
介護される方の状態 体の大きさ、体重、寝返りの頻度、起き上がりの状態、麻痺の有無などを把握し、必要な機能を見極める(例:電動機能、幅広マットレス、背もたれ調整機能)
部屋の広さ 寝台設置後の介護者の動線、車椅子使用時の動線、介助機器(歩行器、リフト等)の配置スペースを確保できるか確認
予算 電動機能の有無、マットレスの種類による価格差を考慮し、予算内で最適な寝台を選ぶ。介護保険の適用範囲や自治体の補助制度も確認
専門家・販売店への相談 専門家のアドバイス、販売店での実物確認や操作体験を通して、納得のいく寝台選びをする

ギャッジベッドの適切な使い方

ギャッジベッドの適切な使い方

寝たきりの方や体の不自由な方の暮らしを支える上で、ギャッジベッドは大変役に立つ道具です。しかし、安全にそしてその効果を十分に得るためには、正しい使い方を知ることが何よりも大切です。使い方を誤ると、思わぬ事故につながる可能性もありますので、まずは操作方法をしっかりと覚え、手順を一つ一つ確認しながら操作するようにしましょう。慌てて操作したり、よく分からないまま使ったりすると、ベッドが思わぬ動きをしてしまい、体に負担がかかったり、怪我をする危険があります。

ギャッジベッドを長く安全に使うためには、定期的な点検と手入れも欠かせません。ベッドの部品に緩みや破損がないか、動作に異常がないかなどを日頃からよく見て、必要に応じて修理や部品交換を行いましょう。また、清潔を保つことも大切です。ベッドの表面や隙間などに埃や汚れがたまると、衛生面で問題が生じるだけでなく、故障の原因にもなりますので、こまめに掃除をするように心がけましょう。

ギャッジベッドを使う上で特に気をつけたいのが、ベッドの高さと角度の調整です。利用する方の体の状態や、行う動作に合わせて、最適な高さや角度に調整することで、より楽に、そして安全にベッドを使うことができます。例えば、ベッドから車椅子へ移動する際は、ベッドの高さを車椅子の座面と同じ高さにすることで、スムーズな移動がしやすくなります。また、食事や読書などをする際には、背もたれを起こして上体を支えることで、楽な姿勢を保つことができます。

さらに、枕やクッションなどをうまく使うことで、より快適に過ごすことができます。体の支えとなる部分にクッションを挟むことで、体への負担を軽減したり、寝返りを打ちやすくしたりすることができます。また、足元にクッションを置くことで、足のむくみを予防することもできます。利用する方の状態に合わせて、最適な配置を工夫してみましょう。

ギャッジベッドは、正しく使うことで、利用する方の自立を支援し、生活の質を高めるための大きな力となります。安全に配慮しながら、その効果を最大限に活かしていきましょう。

ポイント 詳細
操作方法の習得 事故防止のため、操作方法を覚え、手順を確認しながら操作する。
定期点検と手入れ 安全な使用のために、部品の緩みや破損、動作異常をチェックし、必要に応じて修理や部品交換、清掃を行う。
高さ・角度の調整 利用者の状態や動作に合わせ、ベッドの高さと角度を調整。車椅子への移動や食事、読書時の姿勢を楽にする。
枕・クッションの活用 体の負担軽減、寝返り補助、むくみ予防のため、枕やクッションを適切に配置する。
自立支援と生活の質向上 ギャッジベッドは、正しく使用することで利用者の自立を支援し、生活の質を高める。