骨髄穿刺:マルクを知る

骨髄穿刺:マルクを知る

介護を学びたい

先生、「介護」と「介助」の違いは分かりますが、医療用語で「マルク」という言葉が出てきました。これは何でしょうか?骨髄検査の時に使われた言葉のようです。

介護の研究家

良い質問ですね。「マルク」は骨髄液を採取する検査のことを指します。正式には「骨髄穿刺」と言います。太ももの骨や胸の骨に針を刺して、骨の中にある骨髄液を採取するのです。

介護を学びたい

胸の骨にも針を刺すのですか!?それは痛そうですね…。なぜ骨髄液を調べる必要があるのですか?

介護の研究家

血液の細胞は骨髄で作られるので、血液の病気の診断には骨髄液を調べることが重要なのです。少し痛い検査ですが、病気の診断には必要な検査なんですよ。

マルクとは。

骨髄検査で骨髄液を採取するための処置(骨髄穿刺)について説明します。

マルクとは

マルクとは

マルクとは、骨髄穿刺の略語で、骨の中にある骨髄液を採取する医療行為のことです。骨髄は血液の細胞成分が作られる場所で、採取した骨髄液を調べることで、血液の病気やがんの診断に役立ちます

骨髄液には、赤血球、白血球、血小板など、血液の細胞の元となる造血幹細胞や、それらが成長していく途中の様々な段階の細胞が含まれています。これらの細胞の状態を詳しく調べることで、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、再生不良性貧血など、血液に関する様々な病気を診断することができます。また、がんが骨髄に転移しているかどうかを調べるのにも、マルク検査は有効です。

検査自体は比較的短い時間で終わりますが、患者さんにとっては不安や緊張を伴う場合もあります。そのため、医師や看護師が検査の内容や手順について丁寧に説明し、患者さんを支えることが大切です。

検査は、主に腰の骨である腸骨、または胸の真ん中にある胸骨から骨髄液を採取します。局所麻酔をするので、痛みはほとんどありませんが、針を刺す時の圧迫感や鈍い痛みを感じる場合もあります。検査後には、穿刺部位の出血や感染を防ぐため、安静にして圧迫止血を行います。まれに、皮下出血や痛みが数日続くこともありますが、通常は自然に治ります。もし、強い痛みや発熱などの症状が出た場合は、すぐに医療機関に連絡してください。

マルクは、血液の病気の診断において非常に重要な検査です。早期発見・早期治療につながる可能性を高めるためにも、医師や看護師の説明をよく聞き、疑問や不安があれば遠慮なく質問し、安心して検査を受けてください。

マルク(骨髄穿刺)の概要 詳細
目的 血液の病気やがんの診断、がんの骨髄転移の有無を確認
検査対象 骨髄液(血液の細胞成分が作られる場所)
診断可能な病気 白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、再生不良性貧血など
検査手順 腰の骨(腸骨)または胸骨から骨髄液を採取(局所麻酔使用)
検査中の感覚 痛みはほとんどないが、圧迫感や鈍い痛みを感じる場合も有
検査後の注意点 安静、圧迫止血。強い痛みや発熱時は医療機関へ連絡
重要性 血液の病気の早期発見・早期治療に繋がる重要な検査

検査の目的

検査の目的

骨髄穿刺、いわゆるマルクは、血液の病気を調べる上で欠かせない検査です。血液は体の中で、酸素を運んだり、ばい菌をやっつけたり、出血を止めたりと様々な大切な働きをしています。この血液は、骨の中心部にある骨髄で作られています。骨髄は例えるなら、血液を作る工場のようなところです。マルクはこの工場の状態を直接調べることで、血液の病気がなぜ起こっているのかを詳しく知ることができます。

マルクで得られる情報は、大きく分けて四つあります。まず一つ目は、血液のがんの診断です。白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫など、血液に関係するがんはいくつか種類がありますが、これらの診断にマルクは欠かせません。二つ目は、血液を作る機能に異常がないかを調べることです。例えば、再生不良性貧血などは、骨髄の働きが悪くなって、十分な量の血液を作ることができなくなってしまう病気です。マルクを行うことで、このような血液を作る機能の異常を明らかにすることができます。三つ目は、原因のわからない貧血や血小板減少などの原因を突き止めることです。様々な血液検査を行っても原因が特定できない場合、マルクによって診断の手がかりが得られることがあります。四つ目は、他の臓器のがんが骨髄に広がっていないかを調べることです。がんは血液の流れに乗って体の様々な場所に広がることがあります。骨髄への広がり(転移)の有無は、がんがどのくらい進行しているかを知る上で重要な情報であり、治療方針を決めるのに役立ちます。

また、マルクは治療の効果を確かめたり、病気の経過を観察するためにも行われます。治療によって骨髄の状態がどのように変化しているかを継続的に調べることで、治療の効果を判断し、今後の治療方針を決めることができます。このように、マルクは血液の病気の診断から治療、経過観察まで、幅広く役立つ重要な検査であり、患者さんのより良い経過のために欠かせないものと言えます。

マルク(骨髄穿刺)で得られる情報
1. 血液がんの診断(白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫など)
2. 造血機能の異常の有無(再生不良性貧血など)
3. 原因不明の貧血や血小板減少の原因究明
4. 他臓器のがんの骨髄転移の有無
治療効果の確認と病気の経過観察

検査の手順

検査の手順

骨髄検査、つまり骨の中にある骨髄を調べる検査の手順をご説明します。まず、検査を受ける方は検査用の服に着替えていただき、その後、骨髄を採取する場所を消毒します。採取する場所は、通常、腰の骨の後ろ側の上の方です。これは腸骨と呼ばれる部分です。ただし、場合によっては、胸の真ん中にある胸骨から採取することもあります。

次に、採取する場所に局所麻酔の注射をします。この麻酔のおかげで、検査中の痛みはほとんどありません。しかし、骨に針が刺さる時に、押される感じや鈍い痛みを感じる方もいますのでご承知おきください。麻酔が効いてきたら、骨髄を採取するための特別な針を骨に刺します。

骨髄液の採取方法はいくつかあります。注射器で吸い出す方法や、細い管を使って自然と骨髄液が出てくるのを待つ方法などです。どれくらいの量の骨髄液を採取するかは、検査の内容によって変わってきますが、通常は数ミリリットル程度です。

必要な量の骨髄液を採取できたら、針を抜き、針を刺した場所をしっかり押さえて出血を止めます。そして、清潔なガーゼとテープでその部分を覆って固定します。検査全体にかかる時間は、準備から後片付けまで、通常30分程度です。

検査後は、骨髄を採取した場所を安静に保ち、圧迫止血を続けることが大切です。激しい運動や入浴は避け、医師の指示に従って安静にしてください。また、出血や感染を防ぐために、清潔を保つように心がけてください。

検査手順 詳細
服装 検査用の服に着替える
消毒 骨髄を採取する場所(腸骨または胸骨)を消毒
麻酔 採取場所に局所麻酔
穿刺 骨髄採取用の針を骨に刺す
採取 注射器で吸引、または細い管で自然滴下
止血 針を抜き、穿刺箇所を押さえて止血
保護 ガーゼとテープで穿刺箇所を保護
検査後 安静、圧迫止血、激しい運動や入浴は避ける、清潔を保つ

検査後の注意点

検査後の注意点

骨髄検査、つまり骨髄液を採取する検査を受けた後は、いくつか注意すべき点があります。検査によって小さな傷がつくため、その後の過ごし方が大切です。まず、検査直後は穿刺部位からの出血に注意が必要です。検査が終わると、穿刺部位を清潔なガーゼなどで覆い、しっかりと圧迫して止血します。この圧迫は数時間続ける必要があり、医師や看護師の指示に従って、決められた時間までは安静にしていましょう。穿刺部位に貼られたガーゼやテープは、医師の指示がない限り、勝手に剥がしてはいけません。血液が完全に止まり、傷が塞がるまでは、清潔な状態を保つことが重要です。

検査当日は、穿刺部位への負担を避けるため、激しい運動や入浴は控えましょう。ぬるめのシャワーで軽く済ませるか、体を拭くようにして清潔を保ちます。また、飲酒も控えることが望ましいです。検査を受けた日は、出来るだけ体を休め、安静に過ごすことが大切です。翌日からは普段通りの生活に戻すことができますが、穿刺部位に違和感や痛み、腫れが残っている場合は、無理をせず安静を続けましょう。

検査後、穿刺部位からの出血が止まらない、強い痛みや発熱、腫れ、赤みなどの症状が出た場合は、すぐに検査を受けた医療機関に連絡してください。これらの症状は、感染症やその他の合併症の兆候である可能性があります。早期に適切な処置を受けることが重要です。検査の結果説明は、後日改めて行われることが一般的です。結果の内容や今後の治療方針など、気になることや不安なことがあれば、遠慮なく医師や看護師に相談しましょう。骨髄検査は血液の病気を診断するために欠かせない検査ですが、不安や緊張を感じるのは当然のことです。検査前に医師や看護師から詳しい説明を受け、疑問や不安を解消しておくことで、安心して検査に臨むことができます。

項目 詳細
検査直後 穿刺部位をガーゼで覆い、数時間圧迫止血。医師や看護師の指示に従い安静にする。ガーゼやテープは勝手に剥がさない。
検査当日 激しい運動、入浴、飲酒を控える。ぬるめのシャワーか体を拭く。安静に過ごす。
翌日以降 普段通りの生活。穿刺部位に違和感、痛み、腫れがあれば安静にする。
異常発生時 出血が止まらない、強い痛み、発熱、腫れ、赤みが出たら、すぐに医療機関に連絡。

まとめ

まとめ

骨髄検査、広くは骨髄穿刺と呼ばれるこの検査は、血液の病気を調べる上で欠かせない大切な検査です。骨の中心にある骨髄という場所に針を刺し、骨髄液という液体を採取します。この液体の中には、血液のもとになる様々な細胞が含まれており、それらを詳しく調べることで、白血病や悪性リンパ腫、再生不良性貧血といった様々な血液の病気を診断することができます。また、病気の進行具合や治療の効果を判断するのにも役立ちます。

検査を行う際は、まず穿刺する部分の皮膚を消毒し、局所麻酔を注射します。そのため、検査中の痛みはほとんどありません。しかし、針を骨に刺す際に、圧迫感や鈍い痛みを感じる方もいます。検査時間は、通常30分程度です。検査が終わったら、穿刺した部分にガーゼなどを当てて圧迫止血し、安静にします。これは、出血や細菌感染を防ぐためです。

検査後、穿刺した部分に内出血ができたり、少し痛むことがありますが、多くの場合、数日で自然に治まります。もし、強い痛みや熱が出た場合は、すぐに病院に連絡し、医師の指示を受けてください。

骨髄検査は、血液の病気を早期に発見し、早く治療を始めるために非常に重要な検査です。早期発見と早期治療は、病気を治すための大きな一歩となります。検査を受ける前には、医師や看護師から検査についての詳しい説明を受け、疑問や不安に思うことは何でも質問しましょう。そうすることで、安心して検査を受けることができます。骨髄検査は、正確な診断と適切な治療のために欠かせないものだということを理解し、積極的に検査を受けるようにしましょう。

検査名 目的 方法 痛み 検査時間 検査後の注意点 重要性
骨髄検査(骨髄穿刺) 血液疾患の診断、病状把握、治療効果判定 骨髄に針を刺し、骨髄液を採取 ほとんど痛みなし(圧迫感や鈍い痛みを感じる場合あり) 約30分 穿刺部位の圧迫止血、安静、強い痛みや発熱時は病院へ連絡 血液疾患の早期発見・早期治療に重要