立ちくらみ注意!起立性低血圧を知ろう
介護を学びたい
先生、「起立性低血圧」って、急に立ち上がるとクラッとすることですよね?介護と介助で何か違いはあるんですか?
介護の研究家
そうだね、急に立ち上がってクラッとするのは起立性低血圧の症状の一つだね。介護と介助の違いを考える上で、重要なのは「自立」を支援するかどうかの視点だよ。
介護を学びたい
自立を支援するかどうか…ですか?どういうことでしょうか?
介護の研究家
例えば、起立性低血圧のある人が立ち上がろうとする時、介護ではその人の状態に合わせてゆっくり立ち上がれるよう見守ったり、手すりなどを用意したりして、最終的に自分で立てるように支援するんだ。介助の場合は、本人が立ち上がれない時に抱え起こしたり支えたりして、直接的に動作を助けることをいうんだよ。
起立性低血圧とは。
「介護」と「介助」で使われる言葉、『起立性低血圧』について説明します。起立性低血圧とは、しゃがんだ姿勢や座っていた状態から急に立ち上がったり、長時間立ったままの状態が続いた時に、めまいがしたり、目の前が暗くなったり、クラッとしたりする症状のことです。
症状の特徴
起立性低血圧は、体の位置を変えた時に血圧が急に下がることで起きる症状です。例えば、床や椅子に座っていた状態から急に立ち上がったり、長時間立っていることで、脳に流れる血液が一時的に足りなくなるのです。
血液が脳に十分に行き渡らなくなると、様々な症状が現れます。目が回る、ふらつく、目の前が暗くなる、吐き気がするといった症状が代表的です。ひどい場合には、意識を失ってしまうこともあります。これらの症状は多くの場合、しばらくすると治まりますが、転倒して怪我をする危険性もあるため、注意が必要です。
特にご高齢の方は、体の機能の低下により起立性低血圧になりやすい傾向があります。また、血圧を下げる薬を飲んでいる方も、薬の影響で症状が現れやすくなります。さらに、体の中の水分が不足している状態(脱水症状)や貧血、自律神経の働きの低下なども、起立性低血圧を誘発する要因となります。
日常生活の中で、急に立ち上がった時にふらついたり、目の前が暗くなるといった症状を経験する方は、起立性低血圧の可能性があります。これらの症状を感じた場合は、早めに医療機関を受診し、医師に相談することをお勧めします。適切な診断と治療を受けることで、症状の改善や予防につながります。
予防と対策
起立性低血圧は、立ち上がった際に血圧が急激に低下する事で、めまいやふらつき、時には失神を引き起こす症状です。しかし、日常生活での少しの工夫で予防や対策をすることができます。予防の第一歩は、急な動作を避ける事です。立ち上がる際は、急に立ち上がらず、ゆっくりと時間をかけて行いましょう。椅子から立ち上がる前は、座ったまま数回足踏みをしたり、軽く屈伸運動をするのも効果的です。これらの動作は足の筋肉を動かし、血流を促すことで、立ち上がった際の急激な血圧低下を防ぎます。
また、長時間立っている必要がある場合は、同じ姿勢を続けない事が大切です。時々足を動かしたり、姿勢を変えたり、軽く屈伸運動をする事で、足の血液の循環を促し、血圧の低下を予防できます。水分不足も起立性低血圧の悪化要因となります。こまめな水分補給は、血液量を維持し、血圧の安定に繋がります。特に暑い時期や運動後は、汗で水分が失われやすいため、意識的に水分を摂りましょう。
弾性ストッキングの着用も効果的です。弾性ストッキングは、足の血液を心臓に戻しやすくする効果があり、起立性低血圧の症状緩和に役立ちます。さらに、食生活ではバランスの良い食事を心がけ、塩分を適度に摂る事も重要です。塩分は体内の水分量を調節し、血圧の維持に関わりますが、過剰な塩分摂取は高血圧のリスクを高めるため、注意が必要です。かかりつけの医師に相談しながら、適切な塩分量を心がけましょう。これらの予防と対策を日々の生活に取り入れることで、起立性低血圧による不快な症状を軽減し、安心して日常生活を送る事ができるでしょう。
カテゴリー | 具体的な対策 | 効果 |
---|---|---|
動作 | 急な動作を避ける 立ち上がりはゆっくり 座ったまま足踏み、屈伸運動 長時間立っている場合は同じ姿勢を続けない 時々足を動かす、姿勢を変える、屈伸運動 |
足の筋肉を動かし血流を促す 急激な血圧低下を防ぐ 足の血液循環を促し、血圧低下を予防 |
水分 | こまめな水分補給 | 血液量を維持、血圧安定 |
衣類 | 弾性ストッキング着用 | 足の血液を心臓に戻しやすくする 症状緩和 |
食事 | バランスの良い食事 適度な塩分摂取 |
体内の水分量調節、血圧維持 |
日常生活への影響
起立性低血圧は、その名の通り、立ち上がった時に血圧が下がることで、日常生活に様々な影響を及ぼします。朝、布団から起き上がる時や、椅子から立ち上がる時などに、急に目の前が暗くなったり、クラッとしたり、ふらついたりすることがあります。このような症状は「めまい」や「立ちくらみ」とも呼ばれ、転倒の危険性を高める大きな要因となります。
めまいやふらつきは、家事を行う上でも支障となります。例えば、料理中に急にめまいがすれば、包丁を使っている際に大変危険です。また、洗濯物を干す、掃除機をかけるといった動作も、ふらつきによって転倒の危険が伴います。仕事においても、立ち仕事や、頻繁に席を立つ必要がある場合は、症状によって業務に集中することが難しくなるでしょう。趣味を楽しむ際にも、例えばガーデニングや散歩など、屋外での活動は転倒の危険性が高まるため注意が必要です。
起立性低血圧の症状が重度の場合、外出が困難になることもあります。電車やバスに乗る際、急に立ちくらみが起こると、つり革につかまることができずに転倒してしまうかもしれません。また、人混みの中を歩く際にも、ふらつきによって人にぶつかったり、転倒したりする危険性があります。このような状態になると、日常生活の動作にも介助が必要となる場合があります。着替えや食事、トイレへの移動など、一人で行うことが難しくなり、家族や介護者の助けが必要となるケースもあります。
安全に日常生活を送るためには、住宅環境の整備も重要です。浴室やトイレには手すりを取り付ける、段差をなくす、滑りにくい床材を使用するなど、転倒を防止するための対策を講じましょう。また、外出時には、付き添いの人と一緒に行動する、休憩場所を事前に確認しておく、急に立ち上がらないようにするなど、安全に配慮した行動を心がけることが大切です。そして、症状が続く場合は、医療機関を受診し、適切な治療や指導を受けるようにしましょう。
受診の目安
立ちくらみのような、立ち上がったときに血圧が下がることで起こる症状は、一時的なものから重いものまで様々です。軽い立ちくらみやふらつきだけならば、普段の生活の中で注意することで対処できる場合もありますが、症状がたびたび起こる、症状が重い、意識がなくなることがあるといった場合には、医療機関で診てもらうことが大切です。特に、ご高齢の方や持病のある方は、重大な病気が隠れている可能性もあるため、自分で判断せずに医師の診察を受けるようにしましょう。
医療機関では、どのような症状が出ているかなどの問診や血圧の測定、心臓の状態を調べる検査などを行い、立ち上がったときに血圧が下がる症状の原因を探ります。必要に応じて、血液検査や神経の検査を行うこともあります。立ち上がったときに血圧が下がる症状は、朝起きた時や食後、長時間立っていた時、お風呂上がりなどに起こりやすいため、そのような時に症状が出るかどうかも医師に伝えるようにしましょう。また、服用中の薬がある場合は、その薬が症状に影響を与えている可能性もあるため、医師に伝えることが重要です。
正しい診断と治療を受けることで、症状の改善や重くなるのを防ぐことにつながりますので、気になる症状がある場合は、早めに医療機関に相談することをおすすめします。放置すると転倒による骨折などのリスクも高まるため、軽視せず、適切な対応をすることが大切です。早期に適切な治療を開始することで、日常生活への支障を最小限に抑え、より健康的な生活を送ることができるでしょう。
症状 | 対処法 | 医療機関受診の目安 | 発生しやすいタイミング | その他 |
---|---|---|---|---|
立ちくらみ、ふらつき、意識消失 | 軽い場合は日常生活での注意 | 症状がたびたび起こる、症状が重い、意識がなくなることがある、高齢者、持病のある方 | 朝起きた時、食後、長時間立っていた時、お風呂上がり | 服用中の薬があれば医師に伝える、放置すると転倒による骨折のリスクあり |
治療について
立ちくらみ、めまい、ふらつきといった症状が現れる起立性低血圧の治療は、その原因や症状の重さによって異なってきます。まず、他の病気によって引き起こされている場合は、その病気の治療を最優先に行います。例えば、体の水分が不足していることが原因であれば、水分を十分に摂るようにします。また、血液中の赤血球が不足していることが原因であれば、鉄分の薬を服用するなどの治療を行います。
他の病気が原因ではない場合、あるいは他の病気を治療しても症状が良くならない場合は、普段の生活の仕方を変えることや薬による治療を行います。生活習慣の改善としては、予防や対策と同じ方法が役立ちます。水分をこまめに摂ること、塩分を適度に摂ること、足を締め付ける靴下やストッキングを履くこと、急に立ち上がったり寝転んだりしないことなどを、毎日続けることが大切です。
薬による治療としては、血圧を上げる薬や血液の量を増やす薬が使われることがあります。これらの薬は、必ず医師の指示通りに正しく服用しなければなりません。自分の判断で服用をやめたり、量を変えたりすることは危険なので、必ず医師に相談しましょう。また、場合によっては漢方薬が効果的なこともあります。
起立性低血圧は、症状が軽い場合、日常生活に大きな支障がないこともありますが、重症化すると転倒による骨折や意識消失などのリスクが高まります。日常生活に支障が出るほどの症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。また、治療開始後も、医師の指示に従って定期的に検査を受け、症状の変化や治療の効果を確認していく必要があります。
起立性低血圧の治療 | 詳細 |
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原因疾患への対処 | 他の病気が原因の場合は、その病気の治療を最優先に行う。 例:水分不足の場合は水分補給、赤血球不足の場合は鉄剤服用 |
生活習慣の改善 | 水分補給、適度な塩分摂取、弾性ストッキング着用、急な姿勢変化を避けるなど |
薬物療法 | 血圧上昇薬、血液量増加薬、漢方薬など 必ず医師の指示通りに服用 |
重症化リスクへの注意 | 重症化すると転倒による骨折や意識消失などのリスクが高まる。 日常生活に支障が出る場合は、早期の医療機関受診と適切な治療が必要。 |